
日中関係が悪化し、中国内の日本歌手の公演が次々とキャンセルされる状況で、人気歌手の浜崎あゆみが中国上海のコンサートステージに立った。
浜崎あゆみは30日、自身のSNSアカウントで「1万4,000席の空席だったが、世界中のファンからの大きな愛を感じた。私にとって最も忘れられない公演の一つだった」と述べ、「今回のステージには中国と日本のクルー、バンドメンバー、ダンサーなど200人以上が参加した」と明かした。
公開された写真には、空っぽの客席に向かって最後の挨拶をする浜崎あゆみの姿が写っていた。浜崎あゆみと共にステージに立ったダンサーたちも客席に向かって頭を下げ、丁寧に挨拶をした。

浜崎あゆみは先にSNSを通じて、この公演がキャンセルされたことを伝えていた。
浜崎あゆみは28日、上海公演に関して「非常に辛い知らせをお伝えしなければならないことをお詫びします」と述べし、「これまでの公演と同様に、日本と中国のスタッフ総勢200人が協力して5日間かけて今日の上海のステージを完成させたが、午前中に突然公演中止の要請を受けた」という声明を投稿した。
しかし、キャンセルの知らせを伝えた後も「今回のツアーで共に戦った会社関係者、中国のスタッフ、そして日本の家族たちと共に前進するので心配しないでほしい」と語り、「私はまだエンターテインメントが人々をつなぐ橋であるべきだと固く信じており、その橋を作りたい」と公演への意欲を示した。
コンサートがキャンセルされたにもかかわらず、観客のいないステージに立ったことについて様々な解釈が出ている。一部では「ブルーレイディスク撮影のためではないか」という見方も出ている。
浜崎あゆみの突然の上海コンサートキャンセルは、7日の高市早苗総理の「台湾介入」を示唆する発言をきっかけに高まった中国内の反日感情が原因と指摘されている。
高市氏は日本の現職総理として初めて「『台湾有事』は日本が集団的自衛権(武力)を行使できる『存立危機事態』に該当する可能性がある」と述べた。この発言に激怒した中国は連日激しい非難を浴びせているが、高市氏は発言を撤回する意思はないとしている。
中国はその後、「日本の治安問題」を理由に自国民に日本旅行の自粛を勧告し、留学生の日本行きも慎重に検討するよう通知するなど、当局主導の規制措置を次々と打ち出している。
浜崎あゆみに先立ち、シンガーソングライターKOKIAの北京コンサートも19日の公演を30分前に突然キャンセルされた。チケット販売会社は「会場設備の故障」をキャンセルの理由として説明した。しかし、中国のSNS上ではKOKIAが午後にも通常通りリハーサルを行っていたことから、この説明を信じない雰囲気が広がっている。
またアイドルグループJO1も28日、中国広州市で佐藤景瑚、金城碧海、木全翔也らが参加予定だったファンイベントを「不可抗力の影響」を理由に挙げてキャンセルした。
このほかにもジャズピアニストの上原ひろみやバンドのゆずの中国公演がキャンセルされ、『美少女戦士セーラームーン』ミュージカルや吉本興業のコメディ公演など、ジャンルを問わず日本のアーティストの中国内活動が次々と中断されている。
人気アニメ『ワンピース』の主題歌を歌った歌手大槻マキは、中国上海で開催された「バンダイナムコフェスティバル2025」で公演中に突然照明が消され、退場を求められる事態も起きた。













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