ウクライナ東部の要衝ポクロウシク攻撃の様子

ロシア軍がウクライナ東部の要衝ポクロウシクとクピャンスクへ進軍する映像が公開された。
ロイター通信によると、ロシアの戦争ブロガーらは11日(現地時間)、テレグラムなどを通じて、ロシア軍の兵士たちが濃霧に包まれた道路をオートバイで疾走する様子を収めた映像を投稿したという。
映像には、兵士たちがオートバイなどに乗ってドアや窓のない車両の残骸が散乱する道路を走行する姿が映っていた。一部の兵士は損傷した車の屋根の上に座っており、道路脇にはドローンも確認された。
この映像を見たテレグラムのユーザーからは「まるでポストアポカリプスを描いたアクション映画『マッドマックス』(1979年)の一場面のようだ」との反応が寄せられている。
ロイター通信は、映像内の道路構造や標識、通信塔、木々などの位置関係から、撮影場所がポクロウシク周辺であることを確認したと伝えた。ただし、撮影日時については特定できなかったという。
ウクライナ東部ドネツク州の要衝でありドネツクへの玄関口とされるポクロウシクをめぐっては、ロシア側とウクライナ側の発表が食い違っている。
ロシア国防省は、ポクロウシクで256棟の建物を制圧し、数日間にわたり都市を包囲したと主張している。一方、ウクライナ側はこれを否定し、10日時点でも近隣のミルノフラドへの物資補給が続いていると説明した。
ただし、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、ポクロウシクの状況について「特定の気象条件が攻撃に有利に働き、厳しい局面にある」と述べ、軍当局もロシア軍約300人がポクロウシク市内に侵入し、ロシア軍が攻勢を強めていることを認めた。
また、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、米紙ニューヨーク・ポストとのインタビューで、ロシアがポクロウシク制圧のためにおよそ15万人の兵力を集中投入していると明らかにした。
ロイター通信は、1年以上にわたりポクロウシクを脅かしてきたロシア軍が、最近では正面突破を避け、側面からの攻撃や補給線の遮断によって包囲網を狭める戦術に転じていると分析している。













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