
ウクライナがロシアの攻撃に対抗し、大きな兵力損失を覚悟してでも核心防御拠点都市を守るかどうか再びジレンマに陥ったと、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)が13日に報じた。Newsisの報道によると、ウクライナは東部バフムートやアウディーイウカなどの都市を守るため消耗戦を繰り広げたが、最終的に撤退した経緯があるという。
当時、批評家たちはウクライナ軍が適時に後退していれば兵力を温存できたと指摘した。ウクライナ軍指揮部は都市をできるだけ守ることでロシア軍に大きな犠牲を強いれば、その後の戦闘でウクライナ軍が息をつけるという論理を展開した。そのような主張の裏には、ロシアが戦果を強調してウクライナの士気を挫くことや、ロシアが米国にウクライナ支援が無駄だと説得しようとする試みを阻止する意図もあった。
今回は東部戦略都市ポクロウシクがロシアに陥落する寸前だ。軍事専門家たちは、ウクライナ政府が今後数週間以上数か月間耐えることで過去の過ちを繰り返すことを危惧している。戦前人口6万人だったポクロウシクをロシアに譲れば、2023年5月にバフムートを失って以来、最大の都市を失うことになる。ポクロウシクが陥落すれば、ロシア軍が北進の足場を確保し、ドネツク地域全体の占領を狙える。ロシアはすでにドネツク地域の4分の3を占領している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ポクロウシクの状況が厳しいと認めながらも、撤退命令を出す気配がない。むしろ先週ポクロウシク近くのウクライナ兵士たちを訪れ、防御の必要性を強調した。ウクライナがポクロウシクで持ちこたえれば、豊富な資源を投入するロシアとの長期都市戦を余儀なくされる。
ロシアは高額の報酬を前面に出して兵力を補充し続けているが、ウクライナは以前から兵力不足に悩まされている。ポクロウシクで戦うウクライナ第68独立猟兵旅団のドローン(無人機)大隊指揮官であるヴャチェスラフ・シェフチュク氏(Vyacheslav Shevchuk)はウクライナ軍が都市戦に適していないと明かした。敵拠点を掃討する兵力も不足しており、建物が密集する地域ではドローンを効果的に使用できないという。
また、ロシアが投下する中型誘導爆弾による防御線破壊を防ぐ対策もないと述べた。彼は「適時に後退して兵士の命を守らねばならない。有利な位置に陣地を移すことは間違いでも恥でもない」と強調した。
ロシアは1年以上ポクロウシクを攻撃しているが、いまだ占領できていない。しかし、ロシア軍の執拗な攻撃によりウクライナ軍の防御線が弱まり、小規模部隊を投入して都市に侵入している。また、冬を前に悪天候が続き、ウクライナ軍がドローンを飛ばしにくい点もロシア軍に有利だ。
ウクライナがポクロウシクで長期戦を戦いながらロシア軍を消耗させられるかも不確実になっている。バフムート戦闘初期、ウクライナ軍はロシア軍に甚大な損害を与えながら善戦した。しかし、ロシア軍が徐々に進撃した結果、ウクライナ軍の補給線を砲撃できるようになり、両軍の兵力損失が拮抗するようになった。
それでもウクライナ最高指導部は持久戦を選択した。ロシア軍に十分対抗できることを示し、西側から最大限の支援を引き出す狙いがあった。バフムートでウクライナ軍の兵力損失が1万人に達し、ロシアは4倍の4万人に達した。当時ロシア軍の中核は刑務所から徴集された受刑者で構成されたワグネル・グループだったため、ロシア政府は多数の戦死者が出ても国内世論の悪化を防げた。
2023年末、バフムート南部アウディーイウカで再び激戦が繰り広げられた。ロシアはここでバフムート以上の割合で兵力を失った。ロシア軍は損失にもかかわらず攻撃を続け、バフムートとは異なり、徐々に都市を包囲して圧迫する戦術を取った。ウクライナはロシアの包囲網が狭まる中でもアウディーイウカに兵力を残していた。
2月に戦闘が最終段階に入ると、ウクライナ兵士たちは約1.6km幅の狭い通路を通じて脱出し、ロシア軍の猛攻を受けた。最後の混乱した撤退で数百人が捕虜になったり行方不明になったりした。現在ポクロウシク東部ミルノフラードでも同様の事態が起こる恐れがある。
ロシア軍はミルノフラードを挟み撃ちの形で包囲している。このためウクライナ軍の脱出路の幅が3kmにも満たないほど狭まっている。ウクライナ軍数百人が依然としてその包囲網内で戦っている。ミルノフラードで戦うウクライナ兵士たちは撤退命令を受けておらず、攻撃してくるロシア軍にできるだけ多くの死傷者を出すことに専念していると伝えられる。
問題はバフムートやアウディーイウカと同様、消耗戦の均衡がいつウクライナに不利に傾くかだ。絶え間ないロシアの攻撃は前線の至る所に隙間を作り、モスクワはこれを利用して進撃している。最近数日間、ロシア軍はポクロウシク南西部ザポリージャ地域で複数の村を陥落させ、異例の速さで進撃した。
















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