米国初のバッテリー工場も稼働開始

世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車が、今後5年間でアメリカに15兆ウォン(約1兆5,000億円)規模の追加投資を行う方針を明らかにした。ハイブリッド車で圧倒的な技術力を持つ同社は、米日間の関税協議が決着したことに加え、ドナルド・トランプ大統領の「反EV政策」も追い風に、北米市場で攻勢を強めている。
トヨタは13日、公式サイトを通じ「今後5年間で最大100億ドル(約1兆5,000億円)の新規投資を実施する」と発表した。これにより、戦後まもなく米国に進出して以来の累計投資額は600億ドル(約9兆3,000億円)に達する見通しだ。100億ドル規模の新規投資は、トランプ政権2期目の発足後、日本の自動車メーカーとしては最大となる。
投資の具体的な内訳は明らかにされていないが、各国メディアは、世界的に需要が落ちないハイブリッド車向けの電動関連部品の増産に重点を置くとの見方を示す。外国メーカーの米国内生産車に税優遇を与えるとするトランプ政権の方針を踏まえると、現地生産モデルの拡大につながる可能性が高い。
一方、同社はトランプ政権の高関税政策によって大きな痛手も受けていた。今年4〜9月期の純利益は1兆7,734億円だったが、そのうち約9,000億円が対米関税による減益分だったとされる。もっとも、関税交渉の妥結を境に環境は好転しつつあり、北米事業は再び上向きの兆しを見せている。
特に9月から、トランプ政権がバイデン前政権のEV購入補助(税額控除)を撤廃したことが、トヨタにとって追い風になっている。トヨタは高級ブランド「レクサス」を含め、米ハイブリッド市場の5割超を押さえており、「反EV政策」の最大 beneficiaries(恩恵を受ける企業)の一つとみられる。近健太CFOは「ハイブリッド車の増産を求める声が非常に多く、生産能力を拡大して対応する」と説明している。
北米での販売は堅調で、今年10月までの総販売台数は207万台と前年同期比8%増だった。日本経済新聞も「今回の投資決定そのものは関税政策とは無関係だとトヨタ側は強調するが、現地生産の拡大が結果的に収益改善につながる」と指摘している。
この発表と同じ日に、トヨタはノースカロライナ州の新バッテリー工場「Toyota Battery Manufacturing North Carolina(TBM)」の稼働開始も公表した。大統領選でも注目される激戦州に位置し、前回選挙ではトランプ大統領が勝利している。
この工場では、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、電気自動車(BEV)向けのバッテリーを14の生産ラインで製造する。バイデン政権下のインフレ抑制法(IRA)の優遇を受けるため、トヨタは2021年から建設準備を進めてきた。総投資額は140億ドル(約2兆1,600億円)に上り、最大5,100人の雇用創出が見込まれる。
北米トヨタの小川哲男CEOは「初の米国バッテリー工場の稼働、そして最大100億ドルの追加投資は、トヨタの歴史における重要な転換点になる」と強調した。














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