自衛隊、米・英・伊などと共同作戦
9月から10月にはカナダで戦闘機飛行
本土防衛からEU・大西洋へ進出拡大

陸上自衛隊陸上総隊に所属する空挺部隊・第1空挺団が、先月7日から28日にイタリアで実施された北大西洋条約機構(NATO)加盟国との共同空挺訓練「マングスタ25」に参加した。石原由尊陸将補は隊員らとともに、パラシュート降下を実施した。陸上自衛隊がアジア太平洋地域ではなくヨーロッパで行われる訓練に参加したのは今回が初めてとされる。
訓練には、日本とイタリアに加え、米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランドの軍人も参加した。第2次世界大戦の勝戦国(米・英・仏)と敗戦国(独・伊・日)、さらには大国の争いに巻き込まれて荒廃したスペインやポーランドまで集まった。非欧州国家である日本の参加は、日本本土防衛に重点を置いてきた自衛隊の活動範囲がアジア太平洋を越え、欧州・大西洋地域へと拡大していることを象徴しているとの見方が出ている。
自衛隊の活動領域の拡大は陸上部隊に限られない。今年9月から10月に行われたNATO空軍の共同訓練には航空自衛隊が創設以来初めて参加し、北米・欧州の空軍基地に戦闘機、輸送機、空中給油機と計180人の隊員を派遣した。日本の航空自衛隊の戦闘機・輸送機がカナダや欧州の空域を飛行したのも初めてのことである。
また、日本国内で行われる多国間訓練もアジア太平洋の枠を超え規模を拡大している。先月、ロシア極東地域に近い北海道で実施された陸上自衛隊と英国陸軍の定例共同訓練「ヴィジラント・アイルズ」には、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランドが加わり、過去最大規模となった。
こうした動きについて、専門家は「日本は、アジア太平洋地域で紛争が発生した場合、欧州が関与せざるを得ない状況を見据えて戦略を描いている」と説明した。














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