トランプ大統領、関税で打撃を受けた米農家救済に110億ドル(約1.7兆円)を投入
来年2月までに農家へ現金支給を予定
米農家、トランプ関税で直撃
トランプ大統領、バイデン批判も「関税での収入を農家支援に回す」と主張

ドナルド・トランプ米大統領は、関税政策で被害を受けた農民らをなだめるため、数兆円規模の支援を行う方針だと8日(現地時間)に明らかにした。
ホワイトハウスでは農家たちとのラウンドテーブル会合が開かれ、約120億ドル(約1兆8,703億6,840万4,200円)規模の農家支援パッケージを導入する予定であることを発表したという。
しかし同日、米農務省のブルック・ロリンズ農務長官は、支援パッケージは120億ドルではなく110億ドル(約1兆7,146億1,203万6,934円)になるとの説明を行い、支給は来年2月までに行う予定だと明らかにした。支援を受ける農家は数週間以内に受給額の決定通知を受ける見込みだという。
その後、トランプ大統領が当初の120億ドル発言を訂正すると、ロリンズ長官は「10億ドル分は保留中であり、本日は110億ドルを発表する」と述べた。
トランプ政権の今回の支援策は、関税政策によって世論が冷え込んだ農業界の反発を和らげる目的の措置と見られている。関税の導入により米国農家の輸出が停滞、多くの農家が深刻な打撃を受けたためだ。
特に被害が深刻だったのが大豆農家だ。米中の貿易摩擦の結果、中国が米国産大豆の輸入を停止したことで、大豆農家は関税の副作用を丸ごと被る形になった。
これを受け、トランプ大統領は先の10月に中国の習近平国家主席と会談し、大豆輸出の再開などで合意したと報じられている。しかし、農家の収入が元に戻るには時間がかかると見込まれており、これを補うために100億ドル(約1兆5,589億96万821円)を超える支援策を打ち出した形だ。
トランプ大統領は、関税政策が農家に打撃を与えたことを認めつつも、今回の支援は「前大統領のジョー・バイデンのせいで悪化した農家の財政状況を改善するためだ」と主張した。そして「もし関税がなければこの支援は不可能だった。関税で億単位の収入があり、その一部を農家に渡すのだ」と述べたという。
一方で、米国内では穀物価格の低迷や関税の重圧により、農家の経営は深刻化している。ある報道によれば、今年上半期だけでも181人の農家が破産申請を行っており、前年同期比で60%の増加となり、2020年のコロナ禍以降で最も高い水準だという。















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