
米連邦政府のシャットダウン(一時的業務停止)が、上院での暫定予算案審議を経て解除に向けて動き出す中、ドナルド・トランプ大統領は「勝利だ」と自賛した。
民主党が求めていた医療保険制度改革法(オバマケア)に基づく補助金支給の延長について、後日改めて協議することで与野党が合意に達したためだ。
ただ、オバマケア補助金の延長が最終的に見送られた場合、国民の医療保険料が急騰し、来年の中間選挙でトランプ大統領と共和党に「ブーメラン」として跳ね返る可能性があるとの懸念も出ている。
トランプ大統領は11日(現地時間)、米スポーツ専門局『ESPN』の番組『パット・マカフィー・ショー』のインタビューで、「我々は民主党に対して大きな勝利を収めた」と述べ、「まだ下院での採決が残っているが、良い結果を期待している」と強調した。
前日、上院は暫定予算案を賛成60票、反対40票で可決した。今後、下院での採決とトランプ大統領の署名を経て、政府のシャットダウンは正式に解除される見通しだ。
共和党が多数を占める上院では、最大の争点だったオバマケア補助金延長の是非を来月に持ち越し、改めて投票に付す方針を打ち出した。共和党はこの方針で民主党中道派を説得することに成功し、これがトランプ大統領が「大勝利」と強調する理由となった。
ただし、来月の上院投票でオバマケア補助金の延長が否決された場合、来年からこの制度の支援を受けている数百万人の国民の健康保険料が、現在の2~3倍に跳ね上がる可能性があるとみられている。
米議会予算局(CBO)は、保険料の高騰により来年には約200万人が保険を維持できなくなる恐れがあると推計しており、米紙『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』がこの見通しを報じた。
これに対し、下院の一部共和党議員はオバマケア補助金の延長を支持する意向を示している。
米紙『ワシントン・ポスト(WP)』は、「オバマケアに関する影響はすぐに現実のものとなる」と指摘した。そのうえで「民主党はシャットダウンという『戦闘』では敗れたが、トランプ大統領と共和党は来年の中間選挙という『戦争』で敗北するリスクを抱えている」と分析した。
















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