
ヴェネツィア・ベルリン・カンヌという世界三大映画祭を制したイランのジャファール・パナヒ(65)監督が、祖国では再び実刑判決を受けた。数十年にわたり彼を縛り続けてきた政治的弾圧から依然として逃れられていない状況だ。
1日(現地時間)、『AFP』などの海外メディアによると、パナヒ監督の弁護士モスタファ・ニリ氏は、イラン司法当局が同監督に対し「イランに対する宣伝活動(propaganda activities)」の罪を適用し、懲役1年と2年間の渡航禁止、さらにすべての政治・社会団体への加入禁止を言い渡したと明らかにした。ニリ弁護士は即時控訴する意向を示した。
パナヒ監督は現在米国に滞在しており、来年3月に開催されるアカデミー賞受賞を狙っている。今年のカンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞した彼の映画『シンプル・アクシデント』(イラン・フランス合作)は、フランス代表としてアカデミー賞国際長編映画賞部門への出品作に正式選定された。
2000年ヴェネチア映画祭の金獅子賞(『チャドルと生きる』)、2015年ベルリン映画祭の金熊賞(『人生タクシー 』)、そして今年のカンヌ映画祭パルムドールに続き、来年のアカデミー賞まで制し「四冠」となるのか、映画界の注目が集まっている。
世界的巨匠として称賛される一方、母国イランにおけるパナヒ監督は前科者として不安定な立場に置かれている。彼は2010年、大規模な反政府デモを支持し、現代イランの状況を批判する一連の作品を制作したことから、懲役6年および映画製作・渡航禁止20年を宣告された。2カ月服役後に保釈されたものの、2022年に再び逮捕され刑の執行が再開、2023年にはハンガーストライキの末に保釈され、現在に至っている。













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