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臓器不足に「禁断の解決策」? 人間細胞で育つブタの心臓、マウスの脳…進む「キメラ臓器」研究に倫理論争再燃!

竹内智子 アクセス  

引用:ゲッティイメージズコリア
引用:ゲッティイメージズコリア

ネズミやブタなどの動物に人間の細胞を注入し、人間の細胞を含む臓器を育てる研究成果が最近相次いで公開された。人間と動物の細胞が混ざった臓器、いわゆる「キメラ臓器」の開発に関する研究だ。まだ挑戦的なバイオテクノロジーの分野ではあるが、最近では研究のスピードが加速している。

「キメラ」とは、ライオンの頭、ヤギの体、ヘビの尾を持つギリシャ神話に登場する怪物に由来する名称だ。科学者たちが異なる生物種の細胞が混ざったキメラ臓器を作ろうとする究極の目的は、臓器移植を必要とする患者に移植するためだ。移植可能な人間の臓器が不足しているという点から、キメラ臓器は臓器移植分野の「ゲームチェンジャー」になると期待されている。しかし、人間と動物の細胞を融合させる点から倫理的な論争は避けられず、特に人間の脳細胞や生殖細胞を動物に注入することへの懸念が大きい。

● キメラの腎臓、心臓、脳、腸、肝臓を持つ動物が誕生

今月11日から14日まで香港で開催された国際幹細胞研究学会の年次会議で、キメラ臓器に関する研究が発表され、大きな話題を呼んだ。まだ正式な論文として発表されていないものの、すでに画期的な成果として大きな関心を集めている。

中国科学院・広州生物医科学研究所のライ・リャンシエ教授の研究チームは、人間とブタの細胞が混ざったキメラ心臓を作製し、その研究結果を年次会議で発表した。研究チームは、ブタの胚でブタの心臓が形成されないよう遺伝子編集を行い、人間の幹細胞を注入した。人間の細胞から由来する心臓の形成を誘導した形だ。ブタの胚は代理母ブタの子宮に移植され、最長21日間生存した。ブタの胚は生存期間中、人間の細胞を含む心臓を保持していた。

研究チームは、ブタの胚心臓における人間細胞の割合を明らかにしていないが、以前、研究チームが開発したブタの胚腎臓には人間の細胞が最大60%含まれていた。研究チームのキメラ臓器作製方法には課題がある。それは、培養皿でブタの胚を培養し、人間の幹細胞を注入する過程で胚が死滅する可能性が高い点だ。

一方、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのスン・シーリン教授の研究チームは、胚の生存率を高める技術を開発した。人間の組織を利用して脳、腸、肝臓のオルガノイド(類器官)を作成し、そのオルガノイドに人間の幹細胞を培養して、妊娠したメスマウスの羊水に注入した。

メスマウスの胎内にある初期段階の胚にオルガノイドを直接注入したわけではないにもかかわらず、オルガノイドは数日でマウスの胚に浸透した。胚に入った腸オルガノイドは胚の腸に成長し、肝臓と脳のオルガノイドもそれぞれの臓器に成長した。

メスマウスは出産に成功し、研究チームが生まれた仔マウスの腸細胞を調べた結果、約1%が人間の細胞で構成されていることが確認された。肝臓と脳は人間の細胞の割合がさらに低かったが、マウスの肝臓で、人間の細胞特有のタンパク質「アルブミン」が生成され、キメラ肝臓が人間の肝臓のように部分的な機能を果たせることも確認された。研究チームは、「人間の細胞とマウスの細胞が融合し、安定した状態を維持できる」と評価し、「キメラ臓器における人間細胞の割合をさらに高めていくことが、今後の重要な課題だ」と述べた。

● 人為的な種間交配には懸念

キメラ臓器の研究は、臓器が機能不全に陥り臓器移植を待つ多くの患者に新たな希望を与えている。しかし、まだ技術的に克服すべき課題は多い。異種の臓器を直接移植するよりは軽減されるかもしれないが、免疫拒絶反応が起こる可能性がある。また、動物の胚に注入した人間の幹細胞が望ましい臓器に適切に分化しない可能性もある。

さらに、倫理的問題も避けられない。特に、科学者たちは特に人間の脳細胞と生殖細胞の注入に懸念を示している。人間の脳細胞を動物に注入すれば、その動物が人間の認知能力を模倣または再現できる可能性があり、人間化された動物が誕生する危険性がある。

また、生殖細胞を注入する場合には、人間と動物の細胞が融合した雑種の生命体が誕生する可能性も、理論的には否定できない。

これらの懸念について、ライ教授は13日、「オルガノイド開発者会議」で「技術的に人間の幹細胞から脳神経細胞と生殖細胞関連遺伝子を除去する方法がある」と述べ、「技術的手段を駆使して安全性を高めたキメラ臓器を生産できるだろう」と語った。

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