米国に不法滞在し、北朝鮮の指令を受けて武器や軍事装備を大量に購入し、密輸した40代の中国人男性が、米連邦裁判所で懲役8年の重刑を言い渡された。この男性は、捜査過程において密輸した武器が「韓国に対する奇襲攻撃」に使用されると述べた。
19日(現地時間)、米カリフォルニア中部地方検察庁によると、ロサンゼルス(LA)連邦地方裁判所は前日、国際緊急経済権限法(IEEPA)違反の共謀及び外国政府の不法代理人活動容疑で起訴された中国国籍者ウェン・シェンファ被告に懲役96か月の判決を下したという。ウェン被告は昨年12月に起訴された2件の容疑すべてについて有罪を認めた。

米検察の調査によれば、ウェン被告は学生ビザで2012年に米国に入国し、翌年にビザが失効した後もカリフォルニア州に滞在し、不法滞在者として生活していたという。ウェン被告は米国入国前、中国のある大使館で北朝鮮当局者と接触しており、2022年からオンラインメッセンジャーを通じて本格的に北朝鮮のために武器の購入及び密輸の指令を受け、実行し始めたことが明らかになった。
ウェン被告の犯罪行為は大胆かつ周到であった。2023年、LAのロングビーチ港を通じて少なくとも3つのコンテナに武器を分散して積み込み、一般貨物に偽装して中国経由で北朝鮮に密輸した。同年5月には、犯行を容易にするためにテキサス州ヒューストンの銃器店を買収した。その後、市販の武器を大量に確保し北朝鮮へ送った。昨年9月には、北朝鮮向けに9mm拳銃弾約6万発を購入したケースもあった。
ウェン被告が密輸した品目には、単なる銃器だけでなく、化学的脅威を識別する装置や各種通信信号を探知する携帯型の広帯域受信機など、先進的な技術装置も含まれていた。さらに、ドローン(無人機)やヘリコプターに搭載可能な偵察用の熱画像装置、民間航空機エンジンの購入も試みていた。米検察は、北朝鮮がウェン被告の犯罪を支援するために約200万ドル(約2億9,520万円)を送金したと明らかにした。
特に連邦起訴状によれば、ウェン被告は自身が北朝鮮に送った武器や装備が韓国への奇襲攻撃に使用されると述べたという。『AP通信』の報道では、奇襲攻撃時に北朝鮮軍を偽装するための軍服の購入を試みたとの供述も起訴状に含まれているとされる。ただし、米当局はウェン被告が米国内での活動を開始した2022年以前、つまり2012年からの10年間の行動については具体的な情報を開示していない。
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