
食器よりも小さい生まれたばかりの子犬に、飼い主は大きな食器をプレゼントした。これからどんどん成長して、この食器いっぱいに盛られたご飯を食べられるようにという願いが込められていた。
そんな飼い主の思いを察したのか、食器の大きさに関係なく、子犬は中身をきれいに平らげた。
ある夜、いつものように子犬にご飯をあげた。食器が大きすぎるため、その小さな体では全部食べきれないだろうと思った。「ゆっくり食べるんだよ」と言い残し、飼い主はしばらくその場を離れることにした。

しばらくして、もしかしたらご飯を食べ終わっているかもしれないと思い、飼い主が子犬の元へ戻ってきた。食器の前でおとなしく座ってご飯を食べている子犬の姿を想像していたが、目の前に広がった光景に思わず笑みがこぼれた。
子犬は、ご飯を食べるどころか、食器の中に体を突っ込んでぐっすりと眠っていたのだ。
ご飯粒が、パンパンに膨らんだお腹や顔にまで付着していた。子犬は、ご飯をゆっくり食べるのではなく、食欲旺盛に急いで全部平らげ、お腹いっぱいで倒れ込んでしまったようだった。
食べ過ぎてそのまま眠ってしまった子犬を見て、飼い主は「君がまだご飯を食べている途中だと思っていたよ、この姿を見るまではね」とつぶやいた。あまりにも可愛らしかったために、起こす気にはなれなかったという。
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