
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は10年ぶりに発表した包括的報告書で、北朝鮮の人権状況について「2014年以降、全般的に改善されておらず、多くの場合むしろ悪化している」と指摘した。国際社会は北朝鮮の人権侵害を国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう求めているが、中国とロシアの反対で議論は停滞している。
米国の北朝鮮専門メディア「NK News」は15日(現地時間)、OHCHR報告書を引用し、北朝鮮当局が過去10年間で各種犯罪者への死刑執行を大幅に増やしたほか、韓国ドラマなど海外メディアを流布した事例では公開処刑が行われたと伝えた。
OHCHRは今回の報告書作成にあたり、約300人の脱北者や目撃者の証言を収集した。報告書は「朝鮮民主主義人民共和国の人権状況は2014年以降、改善は見られず、むしろ悪化したケースが目立つ」と評価している。
さらに「北朝鮮のように住民を強力に統制する国家は稀であり、技術の進展によって監視体制は一層拡大した」と指摘した。特に「反動的思想文化排撃法」が敵対国の出版物や音楽・映画の消費と流布を禁じ、韓国コンテンツを配布・販売した者には死刑や無期懲役を科すと説明した。
また、金正恩国務委員長が2019年に米国との外交を断絶し、軍備開発に集中して以降、生活環境や人権状況は急激に悪化したと分析。大多数のインタビュー対象者が食糧不足を訴え、コロナ禍には全国的に餓死者が相次いだと報告された。
報告書は北朝鮮における広範な強制労働も非難した。特に下層階級出身の子どもたちが石炭鉱山や建設現場といった危険な職場に「突撃隊」と呼ばれる動員組織の一員として動員され、賄賂を払っても強制労働を免れないとの証言が相次いだ。
OHCHRは「北朝鮮の人権侵害はICCに付託されるべきだ」と強調した。ただし、ICCへの付託には国連安全保障理事会の決議が必要だが、2019年以降、中国とロシアが反対を続けており、協議は進展していない。
コメント2
人々の車、ミニスカート、化粧、おしゃれへのあこがれを武力で抑圧できない。 北の体制はもろいよ。
北朝鮮の国家統治体制が揺らいでいるので、人権弾圧が強化されているのだ。 しかし、人々の韓国へのあこがれは強まる一方で、北の体制は崩壊する。