
イスラエル軍がガザ地区最大の都市ガザ市で地上戦を開始してから24時間も経たないうちに、ガザ地区全域でパレスチナ人101人が死亡したことが分かった。
米『CNN』によると、現地の保健当局はイスラエル軍の集中的な攻撃を受け、パレスチナ側の死者数を発表。午前0時以降、北部ガザ地区だけで86人が命を落としたと明らかにした。
ガザ市で最大規模のアル・シファ病院も同日午後遅くに55人の死亡を報告。CNNは、病院で撮影された映像に多数の女性や子どもが含まれていたと伝えている。
住民の証言によれば、今回の夜間攻撃は「戦争中で経験した中で最も激しいもの」だったという。住民のモハメド・アルバヤニ氏はCNNに対し、「これは単なる軍事作戦ではない。彼らは占領に来たようだ」と語った。
また、別の住民メイサル・アル・アドワン氏はマットレスと毛布を抱えて逃げ回り、「恐怖、恐怖、ただ恐怖だけだった。頭上では一日中爆発音が鳴り響いていた」と証言。一晩中眠れなかったと明かした。
CNNが公開した映像には、トラックなどの車両に椅子や寝具が山積みにされ、家族が避難する様子が映っていた。交通渋滞が続く高速道路では、男性と少年が車を押しながら南へ向かう場面も確認された。
これに先立ちイスラエル軍は数日間にわたり「ガザ市への全面侵攻が迫っている」と民間人に警告し、南部デイル・アル=バラフ方面への避難を呼びかけていた。イスラエル軍によれば、初期の避難命令と攻撃を受け、これまでに約32万人のパレスチナ人がガザ市から南へ避難し、そのうち先週末だけで10万人以上が都市を離れたという。
国連は先月、イスラエルがガザ市への攻撃計画を発表した直後に「約100万人のパレスチナ人が強制的に追放される危険がある」と警告していた。
ガザ保健省も、イスラエルがガザ市の住民を「強制的に追放」し、アル=マワシ地域の過密な収容所に押し込んでいると非難。この地域は食料や水、医療サービスなど基本的な物資が不足していると指摘した。
さらに、同日公表された国連調査委員会の報告書は「イスラエルは集団虐殺を行っている」と断じ、国際社会に対し大量虐殺の即時停止と責任者の処罰を求めるよう呼びかけた。
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