ロシアのドミトリー・コザク大統領府副長官が自ら辞任した。ロシアのメディアRBCは18日(現地時間)、コザク副長官が辞表を提出し、政府機関ではなく民間企業への転職を検討していると報じた。

コザク副長官はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の長年の政治的同志であり、最側近として政権発足以来、権力の中枢に位置してきた。プーチン大統領と直接対面する数少ない側近の一人でもあった。しかし、ウクライナ侵攻以降、両者の間に見えざる亀裂が生じたとの見方が強い。
彼はウクライナとの戦争に反対した数少ない側近の一人であり、2022年2月21日の国際連合安全保障理事会の会議において、ウクライナ侵攻に反対する発言を行った唯一の人物であった。戦争初期にはロシア大統領府(クレムリン)を代表してウクライナとの交渉の主役を務めたが、戦争の長期化とともに影響力が低下した。最近、ロシア北西連邦管区の大統領全権代表職の提案を受けたが、プーチン大統領に負担をかけたくないとの理由から政界を離れることを選んだとみられる。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、クレムリンの複数の関係者の証言を引用し、「コザク副長官はプーチン大統領の側近の中で唯一、戦争反対の立場を明確に示した高官であり、最近ではプーチン大統領に対してウクライナとの戦争ではなく和平交渉を開始するよう提案した人物だ」と報じた。このような理由から、プーチン大統領は長年の同志であるコザク副長官との距離を置くようになり、事実上すべての権限を剥奪したとの噂が広まった。プーチン大統領は8月末、コザク副長官が監督していた大統領府の対外文化関係部門と国境間協力部門を廃止した。
コザク副長官は2020年から大統領府副長官を務め、それ以前は11年以上にわたりロシア副首相を歴任していた。ウクライナ出身のコザク副長官は2020年からウクライナ東部ドンバス地域を巡りウクライナ側との対話にあたっていた。コザク副長官は1990年代初頭からプーチン大統領とともに複数回の選挙運動を展開し、2014年のソチオリンピックでは500億ドル(約7兆3,683億円)の予算を管理し、オリンピックの成功に貢献した。プーチン大統領の側近中の側近であった。
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