
米国のドナルド・トランプ大統領の権威主義的な統治を非難する「ノーキングス(No Kings・王様はいらない)」デモが、18日(現地時間)に米国50州全域で大規模に行われた。
反移民政策や州兵の動員による治安介入、関税引き上げに伴う物価上昇への懸念、さらには若手保守活動家チャーリー・カーク氏の死を契機に宣言されたイデオロギー戦争への不満が一気に噴出したものである。主催者側は、全米2,600以上の都市や町で700万人が結集したとし、現代米国史上最大規模のデモだと主張している。
ワシントンDCやニューヨーク、ロサンゼルス(LA)、シカゴ、ボストンなど、米国の主要都市では同日朝からトランプ大統領に反対する看板を掲げたデモ隊が集結した。全米で「ノーキングス」デモが実施されたのは、トランプ大統領が自身の誕生日に大規模な閲兵式を行った6月14日以来の2回目で、初回の全国規模デモより200万人多く動員された。

ワシントンDCでは、米議会議事堂前に集まり始めたデモ隊が次第に規模を拡大し、ホワイトハウスへと続くペンシルベニア大通りを埋め尽くした。カエル、カピバラ、恐竜などの滑稽な「動物コスチューム」を着た参加者が目立っていた。
これらの動物コスチュームは、トランプ大統領が最近州兵派兵を命じたオレゴン州ポートランドのデモ隊が「平和」を強調するために使用し始め、その後、全国的な抵抗の象徴になった。ニューヨークでも有名な観光地タイムズスクエアには、警察推計で10万人が集い、7番街を南下しながらデモ行進を行った。
大都市のみならず、小規模な町でもデモが相次いだ。メリーランド州ミドルタウンでは、早朝から地元住民が「トランプ大統領の独裁に抵抗し、民主主義を守ろう」といったプラカードを掲げて道路脇に整列し、通過する車がクラクションで応じた。デモ現場で取材に応じた60代の男性エリック氏は、「トランプ大統領の政策は、一部の上流階級を除く95%の国民にとって有害であり、米国の分断を助長している」と批判した。
トランプ大統領は、SNSの「トゥルース・ソーシャル」に、自身が王冠をかぶり「キング・トランプ」と記された戦闘機を操縦し、ニューヨークのタイムズスクエアに集結したデモ隊に汚物を投下する20秒の人工知能(AI)制作動画を投稿した。この動画には、デモ隊を嘲笑する意図が感じられる。
一方、米国のJD・ヴァンス副大統領とピート・ヘグセス国防長官は、カリフォルニア州サンディエゴ近郊のキャンプ・ペンドルトン海兵隊基地で行われた米海兵隊創設250周年記念式典に出席した。英紙ガーディアンは、ヴァンス副大統領らのこの式典出席がノーキングス・デモに対する対抗措置の性格を帯びていると分析している。
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