



「ノー・キングス!」
「ノー・キングス(No Kings=王はいらない)!」ドナルド・トランプ米大統領の「王様のような」国政運営を批判する大規模な抗議デモが18日(現地時間)、全米2,700カ所以上で一斉に行われ、数百万人が参加した。同日、トランプ大統領はデモ隊をあざける風刺動画を自身のSNSで共有し、対決姿勢を鮮明にした。
午前10〜11時頃からワシントンやニューヨーク、ボストン、アトランタなど東部主要都市の中心部に続々と人々が集まり始め、時差のあるイリノイ州シカゴやテキサス州ヒューストンなど中西部でも同様の抗議行動が相次いだ。
とりわけワシントンの連邦議会議事堂前には朝から参加者が集まり始め、人数は時間とともに増え続け、数千人規模に膨れ上がった。議事堂とホワイトハウスを結ぶペンシルベニア通りはほぼデモ隊で埋め尽くされたという。
参加者らは、国内治安維持のための軍動員、司法判断の無視、大規模な移民追放、対外援助の削減、選挙公正性の毀損など、トランプ政権の政策や発言を「民主主義に反する」と指摘し、「独裁者」、「ファシスト」のような手法で国政を運営していると強く批判した。
これに対し、トランプ大統領は自身が王冠をかぶり、デモ隊に「汚物爆撃」を浴びせるという風刺動画をSNSに投稿し、反撃に出た。
この動画は、ソーシャルメディア「X(旧Twitter)」で「@Xerias_X」名義の風刺ミーム制作者がAI技術を用いて制作・拡散したとみられるもので、トランプ氏は元の投稿から約7時間後、自身の「トゥルース・ソーシャル」アカウントで共有した。
約20秒の動画では、王冠をかぶったトランプ大統領が「キング・トランプ」と名付けられたジェット戦闘機を操縦し、「ノー・キングス」デモ隊に向けて大量の茶色い汚物を投下する様子が描かれている。
元の投稿には「トランプ大統領がノー・キングスのデモにちょっとだけ姿を見せた」という一文が添えられていたが、トランプ氏は共有する際、特別なコメントは付けなかった。
トランプ大統領はデモ前日の17日、米『フォックス・ビジネス』とのインタビューで「ある人々はデモのせいで(政府の再開を)遅らせたいと言っている」と語り、「彼らは私を王と呼んでいるが、私は王ではない」と主張していた。
全米規模で展開された「ノー・キングス」抗議デモは、トランプ政権2期目発足後、今回が2回目となる。
今年6月14日に初めて行われた同様のデモには、全米2,000カ所以上で約500万人が参加したと推定されている。

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