
ドナルド・トランプ米大統領の「口」とも呼ばれるキャロライン・レビット報道官が、記者の質問に対して親を引き合いに出すような嘲笑的な返答をしたとして、波紋を広げている。
レビット報道官は20日(現地時間)、自身のSNSにハフポストのホワイトハウス担当記者S・V・デート氏とのメッセージのやり取りを公開した。これは、ハフポストがレビット氏とホワイトハウス広報局長のスティーブン・チェン氏が記者の質問に「あなたのお母さん(Your mom)」と答えたと報じたことを受け、発言の文脈を説明する目的で投稿したものとみられる。
発端は16日、デート記者がトランプ大統領に送ったメッセージだった。トランプ大統領がウラジーミル・プーチン露大統領との電話会談後、ハンガリー・ブダペストで会談を行うと発表したことを受け、デート記者は「トランプ大統領はブダペストの歴史的意義を理解しているのか」と質問した。さらに「1994年、ロシアはブダペストで、ウクライナが核兵器を放棄すれば侵攻しないと約束した」と指摘し、「この場所に対するウクライナの反感は考慮されなかったのか。誰がブダペストを提案したのか」と問い詰めた。
これに対し、レビット報道官は「あなたのお母さんよ(Your mom did)」と短く返信。デート記者が「それを面白いと思っているのか」と問い返すと、レビット氏は「あなたが自分をジャーナリストだと思っていることのほうがずっと面白い」と応酬したうえで、「あなたは同業者からも真剣に扱われない極左のプロパガンディスト(far-left hack)だ」と非難。「虚偽で偏向した質問を送るのはやめなさい」と攻撃を続けた。
その後、デート記者はSNSで「ホワイトハウス報道官が記者に対して人身攻撃を行い、嘲笑している」と批判し、「私は彼女が生まれる前から、すでに10年以上この仕事をしている」と反論した。ハフポストによると、デート記者はこれまでAP通信やパームビーチ・ポスト、ナショナル・ジャーナル、NPRなどで30年以上にわたり記者として活動してきたという。一方、レビット報道官は1997年生まれである。
レビット氏の攻撃的な発言に対しては、SNS上で「公人としての品位を欠く」といった批判が相次いでいるが、トランプ政権はこれまでのところ、特にコメントを出していない。
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