
OpenAIがウェブブラウザ市場に本格進出した。Perplexity(パープレキシティ)の「コメット」のように、ブラウザ内に人工知能(AI)チャットボット「ChatGPT」とAIエージェントを搭載し、AIが業務を代行するのが特徴だ。グローバルウェブブラウザ市場首位のGoogle「Chrome」の存在感を脅かすことができるかが注目されている。
ニューシスの報道によると、OpenAIは今月21日、AI基盤のウェブブラウザ「ChatGPT・Atlas」をリリースしたと発表したという。
ChatGPT・Atlasにアクセスすると、初めの画面にChatGPTが表示される。従来のブラウザと同様に、ウェブページのアドレスを入力すれば該当サイトに移動し、ChatGPTのように質問を入力すればAIが回答する仕組みだ。
どのウィンドウでも、ChatGPTサイドバーを開けば、ユーザーが閲覧中または最近閉じたサイトの記事内容の要約を確認できる。製品の比較やデータ分析もAIが代行し、商品購入や旅行予約などもAIが行う。
ユーザーの過去の会話履歴やブラウザ内の使用履歴を参照して、タスクを処理することができる。例えば「先週閲覧したハロウィンパーティーの装飾品を復元して」と依頼すると、ChatGPT・Atlasがブラウザ内の記憶を活用して回答する。
OpenAIは、ブラウザ内の記憶の使用はユーザーの選択事項であり、いつでも履歴を削除できると述べた。また、ChatGPT・Atlasが収集した情報はAIモデルの学習に使用されることはないと強調した。
OpenAIは、ChatGPT・AtlasをAppleMacのOS版として先行リリースし、Windows版およびモバイルアプリ版は後日公開する予定だ。
一方で、GoogleChromeが独占するウェブブラウザ市場で、ChatGPT・Atlasが対抗馬として台頭するかどうかに注目が集まっている。市場調査機関であるStatCounterによると、先月時点でChromeの世界PC・モバイル統合ウェブブラウザシェアは71.9%だという。Appleの「Safari」が13.9%、Microsoftの「Edge」が4.7%と続くが、Chromeが事実上市場を独占している状況だ。
AI業界では、Perplexityが「コメット」で先にAI基盤のウェブブラウザをリリースしたものの、市場への影響は限定的だった。
このような状況下で、OpenAIがグローバル週間アクティブユーザー数(WAU)8億人を誇るChatGPTを基盤にウェブブラウザをリリースしたため、ChatGPT・AtlasがChromeを脅かす「AIネイティブブラウザ」時代の本格始動となる可能性があるとの見方が出ている。
ウェブブラウザが事実上「検索エンジンの入り口」としての役割を果たすため、Atlas内の対話ウィンドウで直接回答を提供する使用パターンが定着すれば、Google検索結果ページへの流入が減少する。つまり、検索サービスである「Google」のシェアと広告収入にも直接的な打撃が及ぶ可能性がある。
このような懸念から、Googleの親会社であるAlphabetの株価は、この日の取引中に4%以上下落した。
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