
昨年、韓国を訪れた外国人観光客の間でショッピング時の「ぼったくり」に対する不満が最も多かったとされる中、ソウル・明洞(ミョンドン)で外国人観光客を狙った過剰請求や強引な販売が行われていたとの疑いが浮上している。SNSやGoogleレビューには同様の被害を訴える投稿が相次ぎ、波紋が広がっている。
28日に韓国観光公社が公開した「観光不便通報総合分析書」によると、昨年、観光不便通報センターに寄せられた苦情は1,543件で、前年に比べ71.1%増となった。不満内容ではショッピング関連の通報が398件(25.8%)で最も多く、タクシー309件(20%)、宿泊258件(16.7%)、空港・航空165件(10.7%)と続いた。
通報1,543件のうち、外国人からの申告が1,433件(92.9%)と大半を占め、内訳では中国圏の旅行客が1,022件(66.2%)と最多だった。
このため、外国人客の間では「事前に検索する」(47.7%)、「必ず価格表を確認する」(36.4%)など、想定外の出費を避けるためのノウハウが共有されているという。
こうした中、化粧品ブランド「THE SAEM(ザセム)」のソウル・明洞店が、外国人観光客に対して過剰決済や強引な販売を行ったとの疑惑が持ち上がった。
最近韓国を訪れた日本人AさんはSNSを通じて「(ザセム明洞店で)店員にセール商品が1万5,000円と案内され購入したが、ホテルで領収書を確認したところ15万円で決済されていた」と投稿した。
Aさんはさらに「領収書にはセール品の返品不可とまで記載されていた。旅行者相談センターにもつながらず、店舗にも電話が通じなかった。明日帰国予定で、仁川(インチョン)空港近くに滞在しているため再び明洞に行くのも難しい」と困惑を示した。
この投稿は1日で閲覧数70万回を超え、同様の被害を訴えるコメントも寄せられた。同様の内容はGoogleレビューにも多数掲載されている。別の日本人Bさんは「現場で必ず領収書を確認すべき。店員の提示価格より0が1つ多く決済される場合がある」と記した。
ザセム側はこれまでの指摘について「交換・返金は可能」と謝罪コメントを残したが、今回の「15万円決済」については真っ向から反論している。店舗側は「金額を十分説明した上で販売しており、その後お客様が来店し返金に応じた。返金理由はお客様自身による金額の勘違いだったと認識している」と説明した。また「防犯カメラ映像や領収書もすべて保管している。口コミが削除されない場合、法的対応も検討する」としている。
来店客に対し事実上の購入強要や出入口の封鎖といった行為が確認されれば、韓国公正取引委員会が禁じる「不当な顧客誘引・強要販売」に該当し、是正命令や過料などの行政処分となる可能性がある。さらに、価格を意図的に偽り過剰決済させた場合には刑法上の詐欺罪が成立する恐れがあり、10年以下の懲役または2,000万ウォン(約213万3,572円円)以下の罰金が科される可能性もある。
















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