
半導体企業が中国を含む懸念国に高性能の人工知能(AI)チップを輸出する際、まず米国内需要を優先して満たすことを義務づける、いわゆる「GAIN AI法案」が、米国の国防権限法案(NDAA)には盛り込まれなかったと、ブルームバーグ通信が3日(現地時間)、同法案に詳しい関係者の話として伝えた。
5日に公表される予定の年次国防権限法案をめぐり、ブルームバーグはこの「GAIN AI法案」について「米半導体大手NVIDIAが、大規模ロビー活動の成果として勝利目前の状況だ」と評している。
GAIN AI法案が成立すれば、AIチップの輸出制限が法律として明文化される。このためワシントン政界だけでなくAI業界からも大きな関心が集まっていた。NVIDIAは、こうした輸出制限が対中強硬派の思惑とは裏腹に、中国のAI技術の自立をかえって後押しし、結果的に米国のAI産業の主導権を弱めると主張し、法案阻止に向けて総力を挙げてロビー活動を展開してきた。
NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は同日、ドナルド・トランプ大統領と会談したほか、米上院共和党の主要議員らとも非公開で意見を交わした。フアン氏はマイク・ジョンソン下院議長の執務室前で記者団の取材に応じ、「AIに関する質問に答えるために来た」と説明した。
フアン氏は、バイデン前政権末期に打ち出されたAI半導体輸出管理方針(AI拡散フレームワーク)に言及しながら、「GAIN AI法案は、従来の輸出管理措置以上に米国にとって有害だ」とも指摘した。CNBCは、フアン氏がこの日、トランプ大統領との会談が行われた事実を明らかにし、その場で最先端AI半導体の輸出規制問題が協議されたと述べたと報じている。















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