
ローマ教皇レオ14世は、ウクライナの和平協議の過程で欧州の役割を排除しようとする動きが見られるとして、ドナルド・トランプ米政権が欧州との同盟を「破棄」しようとしていると批判した。
AP通信などによると、9日(現地時間)、教皇はローマ近郊カステル・ガンドルフォの教皇公邸でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した後、記者団の取材に応じ、米国の停戦案およびその過程で欧州諸国が排除されているように見える流れについて問われ、このように述べた。
教皇は「戦争が欧州で起きている状況で、欧州を交渉に含めない和平合意は非現実的だ」とし「現在と将来の安全保障が議論される以上、欧州は必ず参加すべきだ。しかし残念ながら、この点を理解しない者もいる」と指摘した。そのうえで「それでも欧州の指導者が団結し、解決策を模索する機会はあると考えている」と述べた。
また教皇は、米国のウクライナ停戦案を全文読んだわけではないと前置きしつつ「私が見た一部の内容は、長年真の同盟関係にあった米国とEUの関係に大きな変化をもたらすように見える」と語った。さらに「トランプ大統領の最近の欧州に関する発言は、現在と未来の同盟関係であるべきものを壊そうとする試みに映る」と批判した。
AP通信は、教皇が受けた質問は米国の和平計画に関するものだったが、回答はトランプ政権の米欧同盟観を狙い撃ちする、より広範な批判へとつながったと分析している。
トランプ政権は5日に公表した新たな国家安全保障戦略(NSS)で、欧州との同盟関係に疑問を呈し、ロシアとの関係改善を強調していた。アメリカ・シカゴ出身の教皇は就任以降、トランプ政権の主要政策に対し批判の度合いを継続的に強めており、10月には米国内の移民が非人道的待遇を受けていると批判し、先月には米国の移民が「極めて侮蔑的な」扱いを受けているとして、より人道的な対応を求めていた。



















コメント0