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実際に“氷を削って”空母を作った?…連合軍が本気で挑んだ狂気の戦争プロジェクト

望月博樹 アクセス  

第二次世界大戦中、イギリスの発明家ジェフリー・パイクは、大西洋を横断する連合国の輸送路を保護するため、氷と木材パルプ、水を混合した新素材「パイクレット」で巨大な航空母艦を建造できると提案した。この構想は600メートル以上、200万トン級の海上プラットフォームとして計画され、実質的には氷でできた移動式の要塞であり、戦略的拠点を海上に築くという大胆な試みであった。

パイクレットは86%の水と14%の木材パルプから構成される複合材料で、通常の氷と比較して強度と耐久性に優れ、銃弾すら跳ね返すほどの硬度を持つと評価された。実験では、通常の氷は簡単に砕けた一方で、パイクレットは変形することなく弾丸の衝撃に耐えたという逸話も伝えられている。この特性により、鋼鉄に代わる建材としての可能性に注目が集まった。

実際にカナダのパトリシア湖では、全長約18メートル、重量1,000トンの試験艦が建造され、夏場でも数ヶ月間その形状を維持することが確認された。しかし、純粋な氷では構造的な限界が明らかとなり、配合比率の調整を経て実験が継続されたものの、技術的・財政的制約によって本格建造には至らなかった。

構想上は、パイクレット製の航空母艦がUボートの脅威を抑止し、大西洋防衛の鍵を握る存在になると期待されていた。しかし、氷の自重による変形、気温変化による融解リスク、推進・冷却・断熱など維持管理に関する膨大な課題が次々と浮上し、現実的な運用には至らなかった。理論的には実現可能性があったものの、素材の特性が構造工学的な限界を露呈する結果となった。

戦後は航空母艦そのものの航続距離の延長や、補助空母の導入によって海上戦力の柔軟性が確保され、氷の艦船に対する戦略的ニーズは事実上消滅した。そのため、ハーバークック計画は時代の技術的挑戦として歴史に埋もれたが、戦略と素材科学の交差点における重要な一例として評価され続けている。

現在でもこのプロジェクトは、極限状況下における発想力の象徴として語られており、革新的だが非現実的な構想がいかにして実験段階に進んだのかという点で、軍事技術史や材料工学の研究者たちの関心を集めている。ハーバークックは、単なる空想ではなく、科学的探究心と戦略的創造性が生み出した希少な事例であると位置付けられている。

望月博樹
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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