
【引用:Shutterstock】ベトナム北部フンイェン省にのみ生息する珍しい鶏がいる。「ドンタオ鶏」と呼ばれる品種だ。巨大な脚とごつごつした皮膚が特徴で、その外見から「恐竜鶏」や「ドラゴンチキン」といった異名も持つ。一目で一般的な鶏とは異なる姿をしており、現地では古くから王室に献上される貴重な品種で、今も高級鶏として扱われている。

【引用:Arca】ドンタオ鶏の最大の特徴は、体重の5分の1を占める太い脚だ。脚だけで1~1.5kgに達し、赤くごつごつした皮膚とともに高い希少価値を持つ。ヒヨコの頃は一般的な鶏と変わらないが、成長するにつれて脚が異様に発達し、その姿はまるで古代の恐竜を思わせる。飼育は容易ではなく、寒さやストレスに弱いうえ、交配や孵化には人工授精と細心の管理が欠かせない。さらに、足を薬草を混ぜた水で洗浄するなど特別なケアが必要で、成長には少なくとも1年以上を要するという。

【引用:Arca】ドンタオ鶏は、ベトナムにおいて繁栄や幸運、健康の象徴とされてきた。旧正月や祝い事の際には富裕層への贈答品として人気が高い。高タンパクで弾力のある肉質と、ぷりっとした鶏足は珍味とされ、鶏がらスープや炒め物などで楽しまれる。特に煮る際には、骨にわずかに赤みが残る程度が最も美味しいとされている。生産量が限られているため価格も高額だ。通常1羽は約1万円前後から取引され、質の高い成鶏は20万円を超える。希少な個体では30万円近い値がつくこともある。鶏足が別に販売される場合もあり、一対で1,000円以上、1kgあたり2,000円を上回ることもある。

【引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ】一部の人には異様に見えるかもしれないが、ドンタオ鶏はベトナムの高級レストランで高値で取引される希少食材であり、地域経済を支える重要な資源でもある。毎年旧正月には脚の大きさや形を競う大会まで開催され、現地では誇りある品種として大切にされている。長い歴史と伝統の中で受け継がれてきた名品、それがドンタオ鶏である。
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