
【引用:NASA】我々が知るタイプの生命体、つまり地球生命体の誕生に不可欠な基本構成要素すべてが小惑星の標本から発見された。日本の東北大学を中心とする米日共同研究チームは、NASAの探査機オサイリス・レックスが小惑星ベンヌから持ち帰った標本(121.6g)を分析し、生命の遺伝情報を運ぶRNA分子の構成要素である5炭糖(リボース)を初めて確認した。これにより、以前見つかっていた塩基・リン酸に続き、RNAの3要素がすべて出そろった形となり、生命の“RNA起源説”に大きな説得力が加わった。

【引用:NASA】今回の標本からはリボースだけでなく、ブドウ糖やガラクトースなど生命活動に不可欠な複数の糖分子が見つかった。特にブドウ糖が地球外天体で確認されたのは初めてで、若い太陽系にもエネルギー源となる物質が存在したことを示す重要な発見。これらの糖類は、ベンヌの母天体内部でホルムアルデヒドと塩分を含む水が反応して生成されたと考えられており、小惑星が生命の素材を地球へ運んだ可能性を強く示唆する。

【引用:NASA】標本からは、DNAの材料となるデオキシリボースは見つからなかった一方で、RNAの材料となるリボースのみが検出された。この事実は「生命はRNAから始まった」という仮説を支持するもの。研究チームは「太陽系初期にはデオキシリボースよりもリボースが一般的だった可能性がある」としており、RNAが初期生命の中心だったという“RNAワールド仮説”にさらなる根拠が加わった。

【引用:NASA】NASAの別研究チームは、ベンヌの標本から窒素と酸素に富む未知の高分子物質「宇宙ガム(space gum)」を発見した。これは以前は柔らかく、自然放射線による熱や化学反応で形成されたとみられ、生命の前駆物質を運ぶ可能性があるとされた。また、標本からは太陽系誕生前の星が放出した“超新星の塵”も確認され、その量は従来の観測の6倍に達した。これらの発見は、ベンヌの母天体が超新星に由来する物質を多く含む原始惑星系円盤で形成されたことを強く示している。














コメント0