『K-POPガールズ！デーモン・ハンターズ』の収録曲「Golden」が、米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で1位を獲得し、楽曲の製作者や歌手たちにも注目が集まっている。『K-POPガールズ！デーモン・ハンターズ』は、ハリウッドのソニー・ピクチャーズ アニメーションが制作し、Netflixが出資して世界同時配信された作品だが、その骨格はK-POPを中心にKカルチャーで埋め尽くされている。
「Golden」は6月25日に公開された『K-POPガールズ！デーモン・ハンターズ』のOSTの中で、世界的に最も人気を集めている曲であり、12日（日本時間）発表の最新ビルボードチャート（16日付）で初めて「Hot 100」首位を獲得した。これまで同チャートで1位を獲得したK-POP歌手はBTSのみであり、劇中の3人組ガールズグループ「HUNTRIX（ハントリックス）」が歌う「Golden」は、女性グループとしても、架空のK-POPグループとしても史上初の1位となった。
パワフルな高音と一度聴けば忘れられない中毒性のメロディーが特徴の「Golden」は、歌詞にも作品のテーマが象徴的に込められている。作中、HUNTRIXはワールドツアーを成功させる世界的スターであると同時に、代々人間の魂を守る秘密の任務を担ってきた設定だ。リーダーのルミは悲劇的な運命の重さに苦しむが、悪霊が再び人間界を脅かすと、運命を受け入れ光へ進むことを誓う。この曲は作品とルミの運命を象徴する代表曲となっている。
10年間のSMエンターテインメント練習生としての経験
「Golden」の誕生において最も決定的な役割を果たしたのはEJAEである。彼は作詞・作曲に加え、ルミの歌唱パートを担当した。ミュージカル分野で活動してきたマーク・ソネンブリックがEJAEと共に作詞を担当し、BLACKPINKのプロデューサーであるTEDDYやIDO、24などK-POPの精鋭が作曲・編曲に参加し、完成度を高めた。
複数のミュージシャンが関わったが、作詞・作曲・歌唱の全てを貫き「Golden」のアイデンティティを築いたのはEJAEだった。彼は5年にわたりこの曲を制作したと明かし、米音楽専門誌ローリングストーンのインタビューで「5年間、数えきれない夜を徹夜した。制作中、個人的にもつらい時期で、人知れず何度も泣いた」と振り返った。
知られている通り、EJAEは小学生の頃から約10年間、SMエンタテインメントで練習生生活を送り、アイドルデビューを目指した。しかしチャンスを掴めず独立、ニューヨーク大学に進学して作曲家の道へ進んだ。その後、TWICEやRed Velvetなどの楽曲制作や、アイドル歌手のボーカルディレクションを担当し、積み重ねた実力が「Golden」に詰め込まれた。
EJAEは米ローリングストーンのインタビューで、練習生時代の経験からNetflixアニメ映画『K-Pop Demon Hunters』のキャラクター、ルミにより深く共感できたと振り返った。
「ルミは完璧主義者で、弱みを隠そうとする。それは練習生時代の重要な一部だった。常に最高の姿を見せようと努力していた」と説明し、「もう隠れない」と叫び、光の中に堂々と立とうとするルミの思いを込めた「Golden」が、自分にとって特別な曲にならざるを得なかったと語った。
EJAEは「Golden」だけでなく、ビルボード「Hot 100」で同時に成果を挙げている「How It’s Done」の共作詞・共作曲、「Your Idol」の作詞も担当。さらに、ルミが歌う楽曲の歌唱パートもすべて務め、その実力を存分に発揮した。個人的な話題としては、彼女が往年の名優シン・ヨンギュンの外孫であることも明らかになり、関心を呼んでいる。
「Golden」はさらに高みを目指している。ビルボード「Hot 100」での首位獲得と同時に、英国オフィシャルシングルチャート「Top 100」でも1位に輝き、今年世界を席巻した話題曲であることを証明した。今後「Hot 100」の1位をどれほど維持できるのか、そして来年3月開催の第98回アカデミー賞歌曲賞の最終候補に名を連ね、受賞の栄冠を手にできるのかにも注目が集まっている。最終候補は来年1月に発表される予定だ。
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