
グラミー賞候補として知られる米国の著名歌手、ジュビラント・サイクスが自宅で刺され、死亡しているのが発見された。享年71歳。
9日(現地時間)、ABCニュースやNBCなど米主要メディアによると、現地警察は午後9時20分頃、暴行通報を受けてカリフォルニア州サンタモニカの自宅へ急行。到着時にはサイクスはすでに刃物で刺され死亡しており、警察はその場にいた息子のミカ・サイクスを容疑者として逮捕した。

警察関係者は「被害者の息子が自宅内で見つかり、抵抗することなく身柄を確保した」と説明。「殺人容疑で起訴する予定で、事件はロサンゼルス郡地方検事局に送られる」と述べた。
また、「母親が、息子が父親であるサイクスを刺している場面を目撃した」とも明かした。ミカ容疑者(31)については、過去に精神疾患を抱えていた可能性が指摘されており、犯行に使われたとみられる刃物も押収され鑑識が進められている。
一方、犯行動機は現在のところ明らかになっていない。事件はロサンゼルス郡地方検事局に引き継がれ、追加の調査が続いている。今後の調査結果により具体的な事件の経緯が明らかになると見られる。
ジュビラント・サイクスはロサンゼルス出身。幼少期から歌を学び、大学時代にオペラ歌手の道を選択。メトロポリタン歌劇場、カーネギーホール、ハリウッド・ボウルなど、名だたる舞台で活躍してきた。

2009年にはレナード・バーンスタイン作『Mass(ミサ)』の録音に参加し、グラミー賞クラシック最優秀アルバム部門の候補に選出。国際的な注目を集めた。音楽評論家たちからは「彼の声には圧倒的なカリスマがある」「豊かで美しく、溶けるような低音からきらめく高音まで魅力的だ」などと高く評価されていた。長年にわたりオーケストラとの共演を続けてきたこともあり、突然の訃報は音楽界に大きな衝撃をもたらしている。
多くの音楽ファンから「彼の声がもう聴けないなんてつらい」「恋しくなる」「どうか安らかに」「息子のことが許せない」「サイクス、あなたの歌声にどれだけ救われたか」といったコメントが寄せられ、深い哀悼の意が寄せられている。
遺族は現在、今回の事件について公式なコメントを発表していない。













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