
冷たい炭酸飲料を飲むと、シュワッとした甘い味わいと共に爽快感を感じられる。しかし、炭酸飲料を頻繁に飲むと骨が溶けるという説もある。実際に炭酸飲料は骨にそれほど悪影響を及ぼすのだろうか。実は、体を支える骨の健康には、カルシウムとビタミンD、そして運動が非常に重要だ。一般的に知られている骨に関する間違った知識とその真実に迫る。
炭酸飲料で骨が溶ける?
コーラやサイダーなどの炭酸飲料を多く飲むと骨が溶けるという説は、半分は正しく、半分は間違っている。まず、炭酸飲料に含まれる二酸化炭素が骨を傷つけることはない。しかし、炭酸飲料が骨の健康に良いわけではない。炭酸飲料を構成する別の成分である「リン」と「カフェイン」が骨を弱くするためだ。
最も折れやすい骨は腕の骨?
腕や脚の骨をケガしたという人は周りでよく見かける。では、腕や脚の骨が最も折れやすいのだろうか。そうではない。実は、鎖骨が最も骨折しやすい骨だ。転倒時に片腕が体の下敷きになり、肩が地面に強く押し付けられたり、壁やドアにぶつかったりすると、鎖骨が折れてしまう可能性が高い。
骨が赤血球と白血球を生成する?

骨は体全体の構造を支え、体を動かす際の基礎となる。そして、柔らかい臓器を外部の衝撃から保護する機能も果たしている。さらに、タンパク質と酸素を体内の組織に運ぶ赤血球や、感染症と戦う白血球を生成する役割も担っている。
骨は少しずつ成長し続ける?
骨折した骨は再び癒着しながら治るため、骨が少しずつ成長し続けると信じている人もいる。しかし、骨の成長は20代後半で止まる。ただし、変形は続く。また、年齢を重ねるにつれて骨密度が低下し、骨が細くなるため折れやすくなる。日頃からカルシウムとビタミンDを十分に摂取し、定期的に運動することで、骨の健康をより長く維持できる。
喫煙は骨の健康に有害?

タバコは「百害あって一利なし」だ。肺や心臓の健康に悪影響を与えることで知られる喫煙は、骨の健康にも影響を与える。ニコチンをはじめとする化学物質が体内のカルシウム蓄積を妨げ、その結果、骨が強くなるチャンスを逃してしまう。
子どもは大人より骨の数が多い?
人は約300個の骨を持って生まれる。しかし、成長すると206個だけが残る。成長する中で骨の一部が結合するためだ。一部の乳幼児の骨は軟骨と呼ばれる柔らかい組織で構成されており、これらの骨は徐々に硬い形に変化していく。
他の骨とつながっていない独立した骨がある?
人体を構成するすべての骨はつながっているのではないだろうか。実は、一箇所だけ他の骨とつながっていない骨がある。それは下顎骨と胸骨の間にあるU字型の「舌骨」だ。これが人体で唯一、他の骨とつながっていない骨である。