自動車内部で最も汚染された部位の一つとして「ハンドル」が指摘され、注目を集めている。
一部の専門家は、ハンドルが公衆トイレの便器やスマートフォンよりも多くの細菌を保有しているという分析結果を示し、定期的な清掃の重要性を強調した。
英日刊紙デイリー・メールなどの海外メディアによると、自動車専門の洗浄業者であるPlates Expressは、車内で最も細菌密度が高い部位としてハンドルを挙げた。主な原因として、大半の運転手がこの部位の清掃を怠っていることが指摘された。

同社の調査結果によると、ハンドル1平方インチ(約6.45平方センチメートル)あたりには数百種類の細菌が生息可能で、その中には、食中毒や皮膚感染を引き起こす可能性がある病原性細菌も確認された。これは、スマートフォンやコンピューターのキーボード、さらには公衆トイレの便器よりも高い数値だという。
英国全土で高級車洗浄サービスを提供する専門家のジェームズ・テイラー氏は「運転手が顔を触った後、食事をした後、またはスマートフォンを使用した直後、無意識にハンドルを握ることが多い」と説明した。さらに「外見上は非常にきれいな車両でも、ハンドルの溝や継ぎ目を細かく検査すると、高い細菌数が検出される」と付け加えた。
テイラー氏は、ハンドルが手汗や食べ物の残渣、咳やくしゃみの飛沫に継続的にさらされており、細菌が繁殖しやすい環境だと指摘。特に免疫力が低下している人やアレルギー疾患を持つ人は、細菌感染のリスクがより高いと警告した。
専門家は、革やプラスチック素材に適した抗菌ウェットティッシュか車内用クリーナーを使用して、ハンドルを定期的に拭くことを推奨している。さらに、ホイールの隙間など手が届きにくい部分も丁寧に清掃し、水分を完全に拭き取った後に運転するよう助言した。

ハンドルの細菌汚染レベルを裏付ける研究結果もある。2011年の調査によれば、一般的に便器約6.45平方センチメートルあたり平均80種類のバクテリアが生息するのに対し、自動車のハンドルでは約700種類の細菌が検出されたことがあるという。これらの一部には、食中毒や皮膚疾患を引き起こす可能性のある細菌も含まれているという分析結果が示された。
専門家は、細菌感染による健康問題を予防するためには、特にハンドルやドアノブなど、車内で頻繁に接触する部位の衛生管理が必要不可欠だと強調している。