夏の血糖管理、猛暑と高GI食品がもたらすリスク
夏場は血糖値の管理が一段と難しくなる季節だ。
血糖値を上げる要因としては、猛暑による大量の発汗で体内の水分が減り、脱水症状が起きやすくなることが挙げられる。その結果、血液中のブドウ糖の濃度が高まり、血糖値も上がりやすくなる。

さらに、暑さによるストレスで「コルチゾール」と呼ばれるホルモンの分泌が増えることも、血糖値を上げる要因となる。
加えて、夏には無意識のうちにアイスクリームや清涼飲料水など高GI値の食品を口にしやすくなる。
GI値(グリセミック・インデックス)は、食品が体内でどれくらい早く血糖値を上げるかを示す指標だ。数値が高いほど、血糖値が急激に上がりやすいことを意味する。GI値は100点満点で評価され、70以上の食品は「高GI食品」、56~69は「中GI食品」、55以下は「低GI食品」と分類されている。
専門家は「夏場は特に高GI値の食品を摂取しやすくなります」と指摘し、「これらの食品は糖尿病の発症リスクを高めるだけでなく、すでに糖尿病を患っている場合は慢性的な炎症状態を引き起こす可能性があるため、十分な注意が必要です」と述べている。
血糖管理に欠かせない食後の運動
夏の人気メニューには、意外と血糖指数(GI値)が高い食品が多く含まれている。
以下は、夏によく食べられる中で、特に血糖値の急上昇を引き起こす高GI食品の代表例である。
・白パン(GI値95)
・フライドポテト(GI値95)
・もち(GI値93)
・ドーナツ(GI値86)
・アイスクリーム(GI値84)
・ポップコーン(GI値85)
・かき氷(シロップ入り、GI値80)
・炊いた白米(GI値81)
・コーンフレーク(GI値81)
・スイカ(GI値72)
・パイナップル(GI値66)
・メロン(GI値65)
・トウモロコシ(GI値70)
・そうめん(GI値68)
・冷やし中華(GI値65)
・グレープジュース(GI値70)
・スポーツドリンク(GI値69)
・ミルクセーキ(GI値80)
・ジャガイモサラダ(GI値65)
・甘い缶コーヒー(GI値67)
特に、中GI食品は、高GI食品に比べて血糖値の上昇は緩やかだが、摂りすぎると糖尿病のリスクを高める可能性がある。そのため、量を調整しながら取り入れることが大切だ。
また、血糖指数の高い食品を食べた場合、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を防ぐためには、食後30分から1時間以内に軽い運動を行うのが望ましいとされている。
米国糖尿病学会の学術誌『Diabetes Care』に掲載された研究によれば、午前中に45分間歩くよりも、食後に15分間歩く方が血糖値の改善に効果的だという。

また、アイルランドのリムリック大学の研究チームによると、食後にたった2分間でも歩けば、何もしないよりも血糖値の改善に大きくつながることが分かった。
特に、血糖値が最も高くなる食後30分から1時間の間に運動を行うと、より大きな効果が得られると伝えている。
注目の記事