
卵は食卓でよく見かける食品だが、賞味期限が過ぎた卵には安全性に疑問が生じる。賞味期限切れの卵は、果たして食べても大丈夫なのだろうか。
一般的に卵の賞味期限は生産日から3〜4週間程度で、これが卵の新鮮さを保証する基準となる。しかし、賞味期限が過ぎたからといって、すぐに状態が悪化するわけではない。賞味期限は「最適な状態で消費すべき日」を意味するが、その後も一定期間は安全に食べられることが多い。
卵の新鮮さはその内部構造と密接に関連している。卵は外側から徐々に内部が変化する。時間の経過とともに、卵内部の気室が大きくなり、卵白と卵黄の質感が変わる。新鮮な卵は卵白に粘り気があることから形を保てるが、古くなると卵白が水っぽくなり形が崩れやすくなる。卵黄も割れやすく、傾く傾向を見せるため、これらの変化は卵の新鮮さを判断する上で重要な指標となる。
賞味期限切れの卵を食べられるかどうかは、単に賞味期限だけでなく、卵の状態変化によって判断する必要がある。卵を安全に摂取するには、以下のような科学的な方法で新鮮さを確認するとよい。
1.水に浮かべる
新鮮な卵は水に入れると沈む。古い卵は気室が大きくなるため水に浮く。完全に浮いた場合は、すでに卵がかなり傷んでいる可能性が高い。ただし、賞味期限が過ぎていても沈むなら、まだ食べられる可能性が高い。
2.匂いを確認する
卵が腐ると、硫化水素などのガスが発生し、特有の不快な臭いがする。臭いがする場合は絶対に食べてはいけないが、臭いがしなければ賞味期限が過ぎても食べられることが多い。
3.殻の状態
卵の殻にひびが入っていたり、異常に滑らかだったり、湿っぽい場合は、傷んでいる可能性がある。殻の損傷は細菌侵入の経路となり得るため、そのような卵は食べない方が良い。
賞味期限切れの卵を食べたからといって必ず問題が起きるわけではないが、時間の経過とともに細菌の繁殖リスクが高まる。特に、卵はサルモネラなどの細菌が繁殖しやすい環境にある。サルモネラは新鮮でない卵でよく見られ、下痢、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こす可能性がある。
サルモネラのリスクを減らすには、卵を十分に加熱して食べることが重要だ。サルモネラは70度以上で死滅するため、卵は完全に火を通して摂取するのが安全である。そして、冷蔵保存で菌の繁殖を最小限に抑えることが望ましい。
結論として、賞味期限が過ぎた卵でも状態が良ければ、まだ食べられることが多い。新鮮さを確認する方法で安全性を判断し、腐敗の兆候や不快な臭いがする場合は絶対に食べずに廃棄しなければならない。