
中国と欧州連合(EU)が、中国製電気自動車(EV)への追加関税問題を巡り、輸出企業が販売価格の下限を約束する「価格約定(プライス・アンダーテーキング)」方式を軸に歩み寄った。これについて、中国の官営メディアは、貿易摩擦解消に向けた「前向きな事例」であるとする専門家の見解を引用し、高く評価している。
官営英字紙「グローバル・タイムズ」は12日、中国商務部が「中・EUが価格設定ガイドライン(指針)で合意した」と発表したことを受け、「2年に及ぶ対立解消に向けた重要な進展だ」と報じた。
今回の合意により、中国のEVメーカーは欧州委員会が示したガイドラインに基づき、個別に価格約定の申請を行うことが可能となる。申請には、最低輸入価格(MIP)の設定だけでなく、販売チャネルの管理やEU域内への将来的な投資計画なども含まれる見通しだ。欧州委員会は、提出された各提案について、世界貿易機関(WTO)の規則に基づき、非差別的かつ公平な立場から評価を行うとしている。
中国対外経済貿易大学のトゥ・シンチュエン教授は、同紙に対し「今回のガイドラインが強調する非差別原則はWTOの中核であり、双方が多国間貿易ルールを尊重している証左だ」と分析。また、中国政法大学のスー・シャオリー教授は、「今回の成果は、将来的に発生し得る他の貿易問題への対応においても重要な参考モデルになる」との期待感を示した。
背景には、EUが2024年10月、中国政府による不当な補助金を理由に、中国製EVに対し最大35.3%の追加関税(相殺関税)を確定させた経緯がある。これに対し中国側は、関税の代替案として「価格約定」を提案し、協議を続けてきた。
今回の合意について、官営「新華社通信」も業界関係者の声を引用し、「度重なる協議を経て事態が軟着陸(ソフトランディング)に向かっている」と好意的に伝えた。一方で、具体的な最低価格の水準や、すべての申請が受理されるかどうかについては依然として不透明な部分も残されており、個別の企業交渉が今後の焦点となる。













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