7人乗りSUV「デスティネーター」発売
新型パジェロを彷彿とさせる最新デザイン
コスパ抜群のミドルクラスSUVに熱視線

三菱は2026年モデルとなる新型SUV「デスティネーター」を東南アジア市場向けに正式発表した。このモデルは既存のコンパクトSUV「エクスフォース」とMPV「エクスパンダー」をベースに開発された7人乗りSUVで、三菱のラインナップの中ではアウトランダーよりもリーズナブルな価格帯を狙っている。デザインはすでに先行公開されていたDSTコンセプトカーを踏襲したもので、現地消費者の間で高評価を得ている。
三菱によれば、「デスティネーター」という車名には「家族と共に新たな目的地を目指す人々のためのSUV」という意味が込められている。特にデザイン面では、近日公開予定の次世代パジェロのスパイショットと多くの共通点が見られる。フロントの特徴的なT字型ヘッドライトや力強い四角型ホイールアーチ、リアランプのデザインなどに、パジェロのDNAを色濃く感じさせるスタイルが取り入れられている。


モノコックとフレームの違い
ミドルSUVの実力
ただし、構造的な違いは明らかである。デスティネーターはエクスフォースと同様のモノコック構造を採用し、前輪駆動ベースの都市型SUVとして設計されている。一方、次期パジェロはトライトンピックアップのプラットフォームを共有し、伝統的なフレーム構造を採用した本格オフローダーとして登場する予定だ。機械的な共通性こそないが、デザイン上の類似性により、パジェロに郷愁を持つ層からも高い関心が集まっている。
デスティネーターの車体サイズは、全長4,680mm、全幅1,840mm、全高1,780mm、ホイールベース2,815mmとなっており、トヨタ・RAV4や日産・エクストレイルなどのミドルクラスSUVとほぼ同じクラスに位置付けられる。パワートレインは最高出力120kW、最大トルク250Nmを発揮する1.5リッターターボガソリンエンジンにCVTを組み合わせ、十分な動力性能を確保している。

快適装備も抜かりなし
新興市場での展開を視野に
内装装備も充実している。12.3インチの大型インフォテインメントディスプレイや8インチのデジタルメーターをはじめ、ヤマハ製のプレミアム8スピーカーサウンドシステム、64色から選べるアンビエントライト、USB-Cポートなど、快適性を追求した実用的な装備を標準で搭載。2列目シートは40:20:40の分割可倒式を採用し、多用途性にも優れている。
デスティネーターはインドネシアで生産され、東南アジアをはじめ南米・中東・アフリカなどの新興市場に展開される計画だ。日本向けの販売計画は現時点で発表されていないものの、往年のパジェロファンの間で静かに注目が高まっている。 一方、三菱が開発を進める次期パジェロは、グローバル市場向けの本格アウトドアSUVとして再び脚光を浴びると期待されている。
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