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「名画だから価値が下がらない」は幻想だった トランプ関税ショックで名画投資家たちに「追加担保」の嵐

荒巻俊 アクセス  

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

2023年の世界のアート市場は前年比で12%縮小した。成長を一手に支えてきた中国のアート市場が景気減速により、急速に縮小したことが全体の落ち込みにつながった。市場の冷え込みを受け、美術品を担保に融資を行っていたクリスティーズやサザビーズなどのオークション大手では、美術品価格の下落に伴い、債務者に追加担保を求める「マージンコール(追加担保の差し入れ要求)」が相次いでいる。

2025年の見通しも厳しい。ドナルド・トランプ米大統領の急進的な関税政策により、世界経済の低迷が懸念され、美術品価格がさらに下落する可能性が高まっている。

中国市場の低迷、美術市場に波及

アートバーゼルと金融大手UBSが8日に発表した『グローバルアートマーケットレポート2025』によると、2024年の世界の美術市場の取引額は575億ドル(約8兆4,435億9,398万円)となり、前年比で12%減少した。前年(4%減)に比べ、下落幅が拡大した。

韓国も中国市場の悪化の影響を受け、アジア全体の消費意欲が冷え込んだ。韓国のアート市場の取引額は一時1兆ウォン(約1,007億8,917円)に達したが、前年比15%減の8,000億ウォン(約806億3,134万円)にとどまった。一方、米国(-9%)、英国(-5%)、フランス(-10%)は前年とほぼ同じ下落率を維持し、欧州連合(EU)全体の市場は8%縮小した。

価格帯別では、高額作品の取引が大幅に減少した。昨年、1,000万ドル(約14億6,845万円)以上で取引された美術品の数は、前年比39%減少した。景気低迷により、所有者が適正価格で売却できないと判断し、高額作品を市場に出さなかったとみられている。

マージンコールの広がり…アート市場に「パーフェクトストーム」到来か

今後の市場見通しが厳しく、フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、先月、サザビーズやクリスティーズなどのオークションハウスが一部債務者にマージンコールを発動した。融資を維持するためには、追加資金の支払いや、より高価な美術品を担保として提供するよう求められたという。

サザビーズの関係者は「担保となる美術品の価格が過去2年間で全般的に下落したため」と説明した。

美術品を担保に融資を行う機関が、印象派や現代美術の巨匠の作品など、価値が証明された美術品のみを担保として受け入れていることを考慮すると、状況は一層深刻だ。また、同機関は今後も美術品価格の下落を予測していると見られる。アート市場関係者は「景気悪化にも関わらず、良質な作品が価格上昇を続けるという信念が薄れつつある」と指摘している。

一方、トランプ大統領の強硬な関税政策が美術界に直接的な影響を与えるとの分析もある。美術専門誌『アートニュース』は「関税戦争が始まれば、作品や家具、骨董品の価格に加え、輸送や配送、作家や美術館の文化交流など関連コストが増大し、市場がさらに縮小する恐れがある」と懸念を示した。また、『アートニュース』は、元米国商務長官で世界的コレクターのウィルバー・ロス氏の言葉を引用し、「フリーポートに美術品を保管するなど、関税回避の方法が試みられるだろう」と予測している。

荒巻俊
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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