
iPhone製造元のアップルは、収益源である「App Store(アップストア)」での「外部決済手数料」徴収を禁じる裁判所命令に反発した。アップルは控訴裁判所に手数料徴収停止の一時中断を求めた。
7日(現地時間)ロイターなどは、アップルが控訴審進行中の状況で、先月30日の裁判所命令が中止されなければ回復不能な損害を被るとして、この日第9連邦巡回区控訴裁判所にこの要求を行ったと報じた。
アップルは「(裁判所が)自社製品とサービスを永久に無償提供させることはできない」との立場だ。アップルは第三者決済への外部リンクを許可する代わりに開発者に手数料を課したが、裁判所がこれを禁じたのは問題だと主張している。
先にカリフォルニア北部連邦裁判所のイヴォン・ゴンザレス・ロジャース裁判官は、先月30日、「アップルがアップストアでのアプリダウンロード・決済方式の競争拡大を命じた裁判所命令に違反した」と判決した。これは、アップルがゲーム「フォートナイト」開発元のエピックゲームズが起こした独占禁止法訴訟での命令を遵守しなかったためだ。
ロジャース裁判官はさらに「アップルは開発者が代替決済手段へ誘導できるようにし、この場合手数料徴収やリンク提供、代替決済手段案内の禁止をしてはならない」と明示した。
エピックゲームズは2020年、アップルを相手取り独占禁止法訴訟を起こした。当時エピックゲームズがアップストアでアプリ内課金ではなく外部決済システムを導入したところ、アップルはアップストアから「フォートナイト」を排除していた。
一審を担当したロジャース裁判官は2021年9月、アップルの独占禁止法違反を認めなかったものの、「アップストア外部の決済システムを許可せよ」と命じ、これは二審を経て昨年1月に確定した。
その後アップルは第三者決済への外部リンクを許可する一方で、27%の別途手数料を設定した。これに対しエピックゲームズは、アップルが30%に及ぶアプリ内課金と同等のコストを課し裁判所命令に従っていないとして再び提訴し、これが先月30日の判決につながった。
エピックゲームズはこの日、アップルに対し「競争を阻害し、顧客と開発者を犠牲にして法外な『ゴミ手数料』を搾取しようとする必死の試み」と批判した。さらに、先月30日の判決以降、開発者らがより良い決済方法や消費者の選択権などを反映してアプリを更新しており、アップルは「真の競争の急増」に直面していると指摘した。