ドナルド・トランプ米大統領は9日（現地時間）、不法滞在者の自主的な帰国を促すため、母国行きの航空券と帰国ボーナスを支給するよう指示した。
トランプ大統領はこの日署名した大統領令で「不法移民の強制送還に使用される航空便は、移民取り締まりと法の支配維持に不可欠だが、多大な資源と人員を要する」と指摘。「不法移民の自主帰国を奨励・支援するための財政的インセンティブ提供は、税金を大幅に節約しつつ国家主権回復に寄与する」と述べた。さらに国務長官と国土安全保障長官に対し、自主帰国を選択できる税関・国境警備局（CBP）アプリなど、円滑な手続きの確立を指示。自主帰国を選んだ不法移民への航空便を連邦政府が支援し、「帰国ボーナス」形式の財政的インセンティブを提供するよう命じた。この大統領令は、米国土安全保障省が5日、CBPアプリを通じて自主帰国する不法移民に航空券を支給し、帰国確認後1,000ドル（約14万5,900円）の補助金を支給すると発表したことへの行政的根拠を提供するものと解釈される。
トランプ大統領はまた、不法滞在を選択する移民に対し、強制送還、起訴、拘留、罰金、賃金差し押さえ、資産没収などの処罰を受ける可能性があることを周知するよう指示した。