
ドナルド・トランプ米大統領がカタール王室から贈られた高級航空機を大統領専用機「エアフォースワン」として使用する構想を明かしたことに対し、米国内で懸念の声が上がっている。
米紙ワシントン・ポスト(WP)が13日(現地時間)に報じたところによると、米軍関係者や国防総省、シークレットサービス(SS)の元・現職者らは、この航空機を軍の基準に適合させるには数年の改修期間と数十億ドル(数千億円相当)のコストが必要であり、2029年1月の退任前までの改修は現実的ではないとの見解を示している。
約4億ドル、サンアントニオに駐機中
トランプ大統領は12日、ホワイトハウスでの会見で、カタール王室からボーイング747-8型機(価格約4億ドル=約5,880億円)を贈られたことを公表し、「エアフォースワンとして使用する予定だ」と明言した。
現在、この航空機はテキサス州サンアントニオ国際空港に駐機されており、すでに改修作業に着手している可能性があるとWPは伝えている。
「飛ぶ指令センター」には程遠い仕様?
しかし、元政府高官の一人は「エアフォースワンは核攻撃にも耐えうる空飛ぶ指令センターであり、高度なセキュリティ性能が求められる」と指摘。
「この機体は過去に他国や民間で使用されてきた経歴があり、機密レベルの再構成には分解と再組み立てが必要だ」と述べた。
さらに、元空軍長官のフランク・キャンドル氏は「トランプ氏は国家最高司令官として、通常のチェックを免除できる立場にある」としながらも、「現職中にこの機体を使いたいのであれば、セキュリティ基準の多くを免除せざるを得ない」と懸念を示した。