
弾劾には下院で弾劾訴追案が過半数の賛成で可決後、上院の弾劾裁判で有罪判決を受ける必要
トランプ政権1期目に、下院で弾劾訴追案が2回
も可決…上院で無罪確定
米民主党下院議員がドナルド・トランプ大統領に対する弾劾案を提出したが、党内の反発を受け、最終的に採決なしで撤回された。
インド系の2期目下院議員、シュリ・タネダール議員は、トランプ大統領が権限を濫用し、贈収賄や腐敗、司法妨害、専横を行ったとして、計7つの弾劾理由を含む決議案を先月28日に下院に提出した。タネダール議員は特に、トランプ大統領がカタール政府から次期エアフォースワンを無償提供される計画も利益相反の問題であり、弾劾理由に追加できると主張した。
民主党指導部はタネダール議員のトランプ大統領弾劾の試みを全面的に批判した。下院民主党のキャサリン・クラーク院内総務は、15日に開かれた非公開の議員総会で「共和党が提出した弾劾案棄却動議に民主党指導部も賛成票を投じる」と明かした。
下院司法委員長を務めたジェリー・ナドラー議員も同日の党内会議で「タネダール議員の試みは愚かで最悪だ」と強く批判し、この発言は会場から拍手を受けた。
ナンシー・ペロシ前下院議長も「過去に民主党は弾劾問題で常に慎重な姿勢を取ってきた」とし、ナドラー議員の立場に同調した。アクシオスは、タネダール議員が一部議員の同意なしに彼らを共同提案者として記載したという主張もあったと報じた。
米大統領の弾劾手続きは下院議員の過半数(50%以上)の賛成で可決され、上院で弾劾裁判を経て確定する。裁判は連邦最高裁長官が主宰し、上院議員の3分の2の賛成があれば有罪となり、大統領は即座に罷免される。ただし、現在米国の上下両院ともにトランプ大統領が所属する共和党が優位にあるため、トランプ大統領の弾劾は事実上不可能だとAP通信は伝えた。先にトランプ大統領は政権1期目に下院で2回弾劾訴追案が可決されたが、上院でいずれも無罪判決となり、任期を全うした。