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2025年05月19日月曜日
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【投資情報】バークシャーが金融株を売却、現金保有は過去最高 バフェット氏の「慎重戦略」鮮明に

米大手金融株、一部を売却

消費財関連株は拡大

バークシャーの現金性資産規模が過去最高に

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが、金融株の保有比率を大幅に縮小し、シティグループ株を全て売却したことが明らかになった。ドナルド・トランプ米大統領が引き起こした関税戦争で株式市場が混乱していた時期に、金融株を売却して現金を蓄えるなど、保守的な資金運用戦略を取ったとの分析が出ている。

15日(現地時間)に米証券取引委員会(SEC)へ提出された四半期報告書(フォーム13F)によると、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは2024年末時点で約1,400万株保有していたシティグループ株を今年第1四半期中に全て売却した。

また、バークシャーの保有銘柄中4位だったバンク・オブ・アメリカ(BoA)株も約4,800万株を売却し、保有比率は昨年末の11.19%から10.19%に減少した。

さらに、ブラジルのデジタル銀行ヌーバンク(Nubank)の株を全て処分し、米クレジットカード大手キャピタル・ワン(Capital One)の株も一部売却した。2023年第4四半期から続く金融株比率の縮小傾向を踏まえ、バフェット氏が金融セクターに対する慎重な見方を強めていると日本経済新聞は伝えている。

一方で、飲食料や日用品などの消費関連株への投資規模は拡大した。新規銘柄の追加はなかったものの、2023年第4四半期に初めて購入したメキシコ産ビールの輸入・販売を手がけるコンステレーション・ブランズ株を追加購入した。また、昨年第3四半期に組み入れたドミノ・ピザやプール設備業者の株も買い増した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、必需品セクターへの信頼感の表れと分析している。

この結果、保有銘柄の順位にも変動があり、これまで3位だったBoAは4位に後退、コカ・コーラが3位に浮上した。なお、アップル株については今四半期の売買は行われておらず、依然として約634億ドル(約9兆1,952億4,915万円)相当を保有し、バークシャーの最大保有銘柄となっている。バフェット氏は今月2日に行われた株主総会で、ティム・クックCEOのリーダーシップを称賛した。

同社の現金および現金同等物は2024年3月末時点で3,477億ドル(約50兆4,288億3,490万円)に達し、過去最高を更新した。これは2023年末時点の3,342億ドル(約48兆4,708億5,598万円)を上回った。このような保守的な現金保有戦略は、市場の不確実性や資産価格の高騰に対する警戒感が反映したものと見られる。

バフェット氏は「投資の好機は常に訪れるわけではない」と述べ、潤沢な現金保有の正当性を強調している。

また、今回のフォーム13F報告書では、一部保有銘柄について非公開の扱いをSECに申請していることも明らかになった。SECへのフォーム13F報告では、米国内の上場株式を中心に保有状況を四半期ごとに開示する義務があるが、日本の総合商社株などは報告対象に含まれない。WSJは、今回の非公開申請が戦略的投資や新規取得銘柄を巡るものである可能性があると推測している。

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