暗号資産リップル(XRP)が最近下落傾向を続けており、2ドル(約290円)の支持線を再び試す展開になる可能性が指摘されている。

技術分析によると、現在のチャートでは下落反転のシグナルとして知られる「ヘッド・アンド・ショルダー」パターンが形成されており、支持線が崩れれば、2ドルまで下落する可能性がある。
19日午後10時18分(日本時間)時点で、XRPは前日比3.71%安の2.30ドル(約335円)で取引されている。一週間前と比べると、12.52%の下落となった。
暗号資産分析メディア「Finbold」などによると、暗号資産アナリストのアリ・マルティネズ氏は19日(米国時間)、Xに投稿した分析で、XRPの1時間足チャートに形成されたヘッド・アンド・ショルダー・パターンを指摘し、下落リスクを警告したという。
同氏によると、このパターンのネックラインは2.30ドルに位置しており、この支持線が破られれば、下落トレンドが加速する可能性が高いとのことだ。
現在、XRPはこのネックラインを試しており、この水準を下回れば、2ドルまで急落する恐れがあるとの見方が出ている。
別のアナリストであるイグレック・クリプト氏も同日、X上で「2.30ドルは今後の価格動向を左右する重要な分岐点だ」と指摘した。
同氏は「この水準を維持できれば反発の可能性が開ける」と分析し、2.619ドル(約380円)を突破すれば、心理的抵抗線とされる3.10ドル(約449円)までの上昇余地があると続けた。
一方で、反発に失敗した場合の次の主要な支持線は1.61ドル(約233円)と1.20ドル(約174円)であり、これらの数値はフィボナッチ・リトレースメントに基づいている。
短期的にはポジティブな兆候もみられる。XRPは現在、50日および200日単純移動平均線(SMA)である2.21ドル(約320円)と1.90ドル(約275円)を上回って取引されており、テクニカル面では上昇基調を維持しているといえる。
しかし、市場全体の不確実性と弱気心理は依然として解消されていない。
特にCMEグループによるXRP先物取引の開始にもかかわらず、XRP価格は特に反応を示していない。このことは、制度化という好材料が市場に十分反映されていないことを示唆していると考えられる。
このような状況下では、暗号資産市場全体の上昇トレンドが見られない限り、XRPの本格的な反発は難しいとの見方が広がっている。
さらに、リップル社が数日内に10億XRPを市場に放出することも、予期せぬ価格変動を引き起こす可能性があると専門家は見解を示した。