トランプの「メディア手なずけ」…今度は米CBSニュースCEO辞任
放送編集内容を理由にドナルド・トランプ米大統領と法廷闘争を繰り広げているCBSニュースのウェンディ・マクマホン最高経営責任者（CEO）が電撃辞任した。他メディア企業との合併を推進するCBS親会社パラマウント・グローバルが米当局の承認を取り付けるのにマクマホンCEOの存在が障害になると判断したためだ。
19日（現地時間）米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）によると、パラマウント共同CEO兼CBSのCEOであるジョージ・チークス氏は、CBS取締役会を通じてマクマホンCEOの辞任を発表した。マクマホンCEOは同日、社内に送ったメッセージで「会社と私の将来の方向性について合意できないという点が明確になった」と述べた。
マクマホンCEOの突然の辞任は、トランプ政権の決定に事業の将来がかかっている親会社パラマウント社の圧力によるものと分析されている。現在、パラマウント社はスカイダンス・メディアとの合併のため、米連邦通信委員会（FCC）の承認を待っている。CBSがトランプ大統領との訴訟を継続すれば、承認に不利に働く可能性がある。関係者によると、CBS取締役会もマクマホンが職を維持していればトランプ大統領との訴訟和解が困難になる可能性があると判断したと伝えられている。
これに先立ち、トランプ大統領は昨年の大統領選挙期間中、CBSニュースの看板時事番組「60ミニッツ」でのカマラ・ハリス前副大統領インタビューについて、政治的な有利不利により発言が削除されたとして民事訴訟を提起していた。訴訟規模は200億ドル（約2兆8,752億9,670万2,841円）に上る。CBSニュースの親会社であるパラマウント社は、和解による訴訟の早期終結を目指し、トランプ大統領側と複数回接触している。