
イスラエル国防軍(IDF)は18日、ガザ地区における大規模な地上作戦「ギデオン戦車作戦」の開始を発表した。ABCニュースによれば、同作戦によりわずか2日間で少なくとも144人の死者が確認されている。
IDFは、「北部および南部にわたる複数の拠点において、ハマスのテロ関連施設670カ所以上を攻撃し、数十人の戦闘員を排除した」と説明。ガザ内部の主要地域に軍を展開し、支配域の確保を進めている。
イスラエルのヨアヴ・カッツ国防相は今月7日、「今回の作戦完了後も部隊は現地に留まる」と明言しており、ガザ地区への実質的な再占領を示唆している。イスラエルはかつて1967年の第三次中東戦争以降、ガザ地区を軍事的に支配していたが、2005年に完全撤退。その後はハマスが同地を実効支配してきた。
今回の軍事行動の目的として、イスラエル側は「ガザ地区における安全保障の確立」「人質の解放」「ハマスの壊滅」を掲げている。
一方、ガザ地区の医療当局によると、これまでに記者5人を含む北部で42人が死亡。南部では難民キャンプが空爆を受け、36人が死亡、100人以上が負傷したと報告されている。
このような状況に対し、国際社会からはイスラエルによる空爆やガザ封鎖に対して強い非難の声が上がっている。こうした反応を受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日、食料などの一部の人道支援物資の搬入を許可する方針を示した。