暗号資産リップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏が最近、自社コンテンツ「クリプト・イン・ワン・ミニット(Crypto In One Minute)」において、仮想通貨ETF(上場投資信託)の急速な成長について言及した。

ガーリングハウス氏は、このETFの流れが単なる投資手段の拡充にとどまらず、従来の金融と仮想資産市場の境界を取り払う転換点になると評価した。
同CEOは、現在のETFブームが機関投資家に新たな投資機会を提供すると同時に、暗号資産業界全体の正当性を高めていると強調した。
「ようやくウォール街において、機関投資家が暗号資産を直接取引できる環境が整った」と述べた。これまで投資信託や年金基金などの大口投資家は、ウォレット管理の複雑さや中央集権型取引所への不信感から市場参入をためらっていた。しかし、ETFという馴染みのある規制された金融商品が登場したことで、従来は参入が難しかった資金が本格的に流入する基盤が整ったのだ。
特に同氏は、ETFが市場アクセスを向上させると同時に、デジタル資産の「制度化」を促進していると指摘した。
「ETFの登場は、暗号資産業界全体を制度的枠組みに取り込む決定的な契機となる」と強調。ビットコインETFの急成長を例に挙げながら、これは暗号資産が単なる投機対象ではなく、金ETFのような従来の投資商品と肩を並べる資産クラスとして認知されつつあることを示す証拠だと付け加えた。
これらの発言は、米証券取引委員会(SEC)がビットコインとイーサリアムのETFを承認した直後に行われ、一層注目を集めている。
市場関係者の間では、これを契機に様々な暗号資産を基にしたETFが登場すると期待されており、最近ではリップルETFの申請も目立って増加している。
また、ドナルド・トランプ米大統領の暗号資産支持発言や、SEC委員長など主要金融規制当局者の姿勢変化も、追い風となっているとみられている。
こうした動きは、過去に金ETFが初めて登場した際の状況を彷彿とさせる。2004年に米国で初の金ETFが承認された際も、機関投資家が金市場に容易にアクセスできるようになり、市場規模の急拡大につながった。英紙フィナンシャル・タイムズは当時の動向について「金への投資アプローチを根本的に変えた出来事だった」と評している。
ビットコインドットコムニュースなどによると、今回のETF拡大の動きが単なる商品の多様化にとどまらず、暗号資産市場が制度的信頼を獲得し、主流の金融市場の一部として組み込まれる分岐点になる可能性が高いと報じている。
ガーリングハウス氏は「この変化は一時的なトレンドではなく、デジタル資産の未来を形作る構造的な転換だ」と強調した。
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