
ドナルド・トランプ米大統領が、ハーバード大学への支援を削減し、代わりに職業学校(trade schools)を支援する方針を検討していることが明らかになった。
トランプ大統領は26日(現地時間)、SNSへの投稿でハーバード大を「反ユダヤ主義ハーバード」と呼び、「ハーバード大に支給される30億ドル(約4,330億7,821万円)を取り上げ、全国の職業学校に分配することを検討している」と述べた。これは既存の凍結または削減された資金の再分配を示唆するものと解釈される。トランプ大統領は具体的な方法には言及しなかった。
トランプ大統領の標的となったハーバード大は、30億ドル以上の政府支援金削減に関してボストン連邦裁判所で訴訟を起こしている。また、国土安全保障省によるハーバード大の海外留学生登録権限剥奪に関しても別途訴訟を提起し、現在その措置は一時停止されている。
トランプ大統領はハーバード大だけでなく、高等教育全般に対する大規模な改革を推進している。4年制大学への進学よりも職業訓練を奨励することが目的だ。トランプ政権の製造業復興政策が雇用を大幅に増加させるため、それに備える必要があるという考えだ。
先月23日、トランプ大統領は未来の高賃金熟練職に関する行政命令に署名し、「全員が大学に行くというアプローチは失敗した」と述べ、教育の焦点を実用的な職業準備に移すべきだと強調した。
トランプ大統領は「連邦政府は毎年米国の高等教育に7,000億ドル(約101兆515億8,314万円)以上を投資しているが、新卒者の約半数しか大学の学位が必要な職を見つけていない」と指摘。「労働力投資及び機会法に41億ドル(約5,918億7,355万8,397円)、パーキンス法を通じた職業・技術教育に14億ドル(約2,020億2,056万1,942円)を支出しているが、これらのプログラムには見習い制度を促進したり、労働力訓練の需要を満たすインセンティブがない」と説明した。さらに「今後10年間で毎年50万人の熟練工不足が予想される」として、年間100万件以上の見習い制度運営を支援する計画を行政府が策定すると明らかにした。
大学の高等教育より職業訓練を強化しようとする動きは共和党全体の支持を得ている。先週、米下院が可決した減税案(OBBBA)には、主に大学学部生に支給される連邦政府奨学金(ペルグラント)の対象からパートタイム学生の割合を減らし、短期就労学生への支援を増やす内容が含まれていた。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、トランプ大統領は2023年の選挙運動中に「アメリカン・アカデミー」設立計画に関する動画メッセージを発表した。この中でトランプ大統領は、アメリカン・アカデミーが「世界最高品質の教育コンテンツを集め、人間の知識と技術に関するあらゆる分野をカバーする」とし、「全米国民が無料でオンラインアクセスできるようになる」と強調した。また、このアカデミーは「厳格に非政治的」であり、「ウォークネス(覚醒主義)やジハード主義は決して容認されない」と付け加えた。ただし、現時点でこのアカデミー設立は実際には進められていない。
しかし、大学への研究助成金を一方的に削減し、留学生や研究者へのビザ発給を減らすことは、結果的に研究開発(R&D)という大学の核心機能を弱体化させ、米国の競争力を損なうとの分析も少なくない。NYTは、トランプ政権が凍結したハーバード大の研究助成金の相当部分が疾病に関する科学研究資金であり、特にハーバード大公衆衛生大学院が大きな打撃を受けたと報じている。一般的に、職業学校はこのような研究を行わない。