
北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、ロシアの軍事的脅威に備えてフィンランドで戦闘機の高速道路緊急着陸やミサイル回避機動などの戦術訓練を行っていると、英紙ザ・タイムズなどが27日(現地時間)に報じた。
オランダ空軍のF35A ライトニング II 戦闘機は、一昨日からフィンランド・ティッカコスキ付近の高速道路で、同国の年次訓練「バーナ25(Baana 25)」に参加している。この訓練名は「道路(Road)」を意味しており、今年は29日まで実施される。

フィンランドは1960年代から隣国ロシアの攻撃に備え、年2回戦闘機の高速道路着陸訓練を実施してきた。2023年のNATO加盟後、昨年は米国、ドイツと共同訓練を行い、今年はオランダがフィンランドのノウハウを学んでいる。
オランダのF35戦闘機は今回の訓練で、着陸だけでなく、敵の地対空ミサイルを回避するため急降下後にほぼ垂直に上昇する戦術機動訓練も実施した。
ザ・タイムズは、フィンランドで行われているこの訓練がNATOの敏捷戦闘展開(ACE)戦略のモデルになっていると指摘した。ACEは、有事の際に戦闘機などの空軍戦力を主要基地外の複数の地域に小規模分散配置し、迅速かつ柔軟に運用するための戦略的概念だ。
フィンランド空軍士官学校の訓練責任者兼副司令官のサミ中佐は「我々は常時監視下にあり、脅威にさらされる状況で訓練している。目標は生存を超えて反撃することだ」と語った。
さらに「我々は一つの拠点にすべてを集中させない。敵の予測する場所にいるつもりはない」と強調した。
オランダ空軍戦闘司令官のエグモント准将は、「高速道路は通常の滑走路と違い、進入角が急で傾斜もそれぞれ異なる。今回の訓練が操縦士たちにとって貴重な経験になった」と述べた。