
ロシアのモスクワ州にあるドローン工場で、大規模な爆発が発生した。
ウクライナの現地メディア「ウクラインスカ・プラウダ」は28日(現地時間)、「前日、ドローンがロシアのモスクワ州ドゥブナにあるドローン工場を空爆した」と報じ、関連する写真と映像を公開した。
公開された映像では、ドローン1機がドゥブナ上空を横切り、どこかに落下した後、爆発と火災が発生する様子が捉えられている。巨大な火柱が立ち上がり、周辺は黒煙に覆われた。
これを撮影した現地の市民は「『クロンシュタット』がまた攻撃を受けた」と証言した。クロンシュタットは、ロシアの代表的な軍用ドローン開発企業で、長距離・中高度攻撃ドローンやスウォームドローン(群れをなして行動するドローン)など、さまざまな無人航空機を開発・生産している。

さらにこの日、ロシアのモスクワ各地でロシア軍の防空網を突破したドローンの姿が確認された。当局によると、ロシアの防空部隊はモスクワに向かうドローン少なくとも31機を撃墜したが、ドゥブナなど一部地域では防空に失敗したとみられる。
ドゥブナと同じくモスクワ州にあるゼレノグラードもドローン攻撃を受けた。ゼレノグラードは、ロシアの半導体生産企業ミクロンの主要生産施設がある場所で、ロシアのシリコンバレーとも呼ばれている。

ゼレノグラードでは深刻な被害や死傷者は報告されていないが、撃墜されたドローンの残骸が落下し、一部の区域で火災が発生した。
軍用ドローン開発企業のクロンシュタットや半導体生産企業ミクロンなどがある地域が被害を受けたことで、ロシア軍の武器供給に支障が生じる可能性が指摘されている。
特にクロンシュタットのドローンは現在、戦場での偵察と攻撃任務に投入されており、ミサイルなどさまざまな武装の搭載が可能で、継続的にロシア国防省に供給されてきた。
ロシア国防省は「27日午後9時から28日午前7時まで、モスクワ、ブリャンスク、ベルゴロド、ヴォロネジ、カルーガ、クルスクなどの主要都市上空でウクライナのドローン296機を破壊し迎撃した」と発表した。
ウクライナは、今回のドローン攻撃に関して公式な立場を表明していない。