既存の変異株より感染力が高く、ワクチン免疫回避能力も向上
新型コロナウイルスの新たな変異株がアジア全域とオーストラリアで急速に拡大し、再流行への懸念が高まっていると、イギリスの非営利学術メディア「The Conversation」が報じた。
先週、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの変異株である「NB.1.8.1」が他の変異株とは異なる特徴を示すとして、監視対象の変異株に指定した。

5月末、オーストラリアの新型コロナ感染者数は増加傾向を示した。特にNB.1.8.1変異株がアジア地域で急速に拡大している。NB.1.8.1は昨年4月末に香港と中国で最も一般的な新型コロナウイルス変異株の一つとされ、韓国でも今年2月に初めて検出されて以来、持続的に増加し、21.2%の増加率を示した。
既存の変異株との違いは?
世界保健機関によると、NB.1.8.1は今年1月に採取された検体から初めて検出されたという。この変異株はXDV系列から派生したオミクロン株の亜種とされている。
最近、中国の研究チームが公表した研究結果によると、NB.1.8.1は試験された複数の変異株の中で、ヒトのACE2受容体に最も強い結合親和性を示し、他の変異株よりも感染率が高い可能性があることが明らかになった。
研究チームは、ワクチン接種者や過去に感染した人の抗体がこの変異株をどれだけ効果的に中和できるかについて調査した。その結果、抗体の中和反応は他の最近の変異株であるLP.8.1.1と比べて約1.5倍低く、ワクチンによる免疫を回避する能力がより高いことが確認された。
これは、NB.1.8.1に感染した人が従来の変異株と比べて他人にウイルスを伝播する可能性がより高いことを示唆していると海外メディアは伝えている。
症状と対処法
報告書によると、NB.1.8.1の症状は他のオミクロン変異株と類似しているという。一般的な症状には、喉の痛み、倦怠感、発熱、軽い咳、筋肉痛、鼻づまりなどがあり、一部で消化器症状が現れることもあるとされる。
世界保健機関は、既存の新型コロナに対するワクチンのNB.1.8.1に対する中和抗体の数値がやや低下したとしても、この変異株による重症化を予防できるとしている。そのため、新たな変異株が出現している現在、条件を満たす人においては新型コロナウイルスの追加接種を検討するのに適した時期である可能性があると海外メディアは伝えている。