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2025年06月06日金曜日
ホームニュース「他国がやってるから米国も」トランプの怒りの関税論、その裏にある"リーダー国家の責任放棄"

「他国がやってるから米国も」トランプの怒りの関税論、その裏にある”リーダー国家の責任放棄”

引用:Truth Social@realDonaldTrump
引用:Truth Social@realDonaldTrump

米国のドナルド・トランプ大統領が、他国が関税を課しているため米国も関税を課するべきだという主張を繰り返した。

トランプ大統領は3日(現地時間)、トゥルースソーシャルへの投稿で「他国が米国に関税を課すことが許されているのに、我々がそれに対し関税で迅速に反応できないのであれば、我が国が経済的に生き残る可能性はない。わずかな可能性すらない」と主張した。

トランプ大統領の支持者らは、関税が米経済にとって有益である理由を説明する様々なミームを作成し、彼の主張を支持している。例えば「関税がそれほど経済に悪影響を与えるのなら、なぜ他国は関税を課すのか」や「トランプ大統領の関税は連邦所得税に代わる財源となり、製造業を復活させ、ドルを強化し、新たな繁栄の時代を創出する」といったものだ。

トランプ政権の主張によれば、米国も適法な手続きを経て関税を課すことができる。ただし、米国は第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制で、自国市場の障壁を下げて開放する代わりに、世界中で米ドルを基軸通貨とする地位を獲得し、これを通じて世界的なリーダーシップを確保する決定をした。以来70年以上にわたり、この地位を享受してきた。

また、米国はこれまで自由市場経済の擁護者として、他国に対して市場開放と関税障壁の撤廃を要求してきた。国際通貨基金(IMF)や世界銀行(WB)、経済協力開発機構(OECD)などの国際機関や協議体も米国を中心に形成され、これらは米国の価値観と「単一市場経済」を世界に広める上で積極的な役割を果たしてきた。

トランプ大統領の主張は、こうした米国のリーダーシップとドルの基軸通貨としての役割は維持しつつ、それに伴う米国の責任は放棄しようとするものだ。また、中国やロシアなど他の大国とのリーダーシップ競争については曖昧な姿勢を示している。

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