
競合他社が連日人工知能(AI)革新を発表する中、アップルは慎重な姿勢を維持している。表向きには「アップル・インテリジェンス(Apple Intelligence)」という名のもとAIプラットフォームを整備しているが、内実を見ると、Open AIやグーグルのジェミニ(Gemini)などの競合との差が明確になりつつある。
アップルインサイダーなど複数の海外IT専門メディアによると1日(現地時間)、アップルは社内で様々な大規模言語モデル(LLM)を実験中で、その中で最大1,500億パラメータのモデルは品質面でGPT-4級に迫っているとの分析もある。しかし、アップル内部ではモデルの公開是非を巡って意見が分かれているという。
特に、ブルームバーグによると、シリ(Siri)の元責任者であるジョン・ジャンアンドレア氏が依然として慎重な姿勢を貫いているとされる。その結果、WWDC 2025で期待されていたシリの完全なAIアシスタント化は実現困難になったとの指摘がある。代わりに、開発者向けの軽量LLM APIの公開が有力視されている。
ヘルスケア分野のAIも同様だ。「マルベリー(Mulberry)」と呼ばれるプロジェクトは、iPhoneとApple Watchから収集した生体データに基づき、個人に最適化された健康アドバイスを提供する機能だ。当初はiOS 18と共に登場予定だったが、現在は来年春のiOS 26リリースまで延期されたとされる。
一方、アップルはOS全体にわたりUIとユーザー体験の精緻化を図る努力を続けている。ホーム画面のカスタマイズ性が向上するほか、コントロールセンターや設定メニューの構造も大幅に刷新される見込みだ。ただし、「アップル・インテリジェンス」が適用される一部機能はiPhone 15 Pro以上のモデルでのみ提供される。
また、メタはiPad向けWhatsAppアプリに続き、今年中にiPad向けインスタグラムアプリも発表予定である。これは長年アップルのエコシステムにおける欠点とされてきた「iPad向けInstagramアプリが存在しない」という状況を解消する初めての動きとなる。これまではiPhone向けアプリを単に拡大表示する方式だったため、ユーザー体験が劣っていた。