アメリカのトランプ政権による関税政策を巡る不確実性が高まる中、アルトコイン市場にも揺らぎが見られている。ビットコインが史上最高値を更新した後に調整局面に入る中、アルトコイン市場は反落と反発の間で戦略的な転換点を迎えているとの見方が出ている。
4日、韓国の暗号資産取引所「アップビット」によると、イーサリアムは4月の安値から約65%上昇し、368万ウォン(約38万7,723円)で取引されている。同期間中、ソラナは44%、XRPは14%の上昇にとどまった。
先月29日、暗号資産専門メディア「コインデスク」は、「イーサリアムの競合とされてきたソラナの18カ月間続いた上昇相場が終わりを見せる技術的シグナルが現れた」とし、「イーサリアムは相対的な強気の相場に入る可能性が高まり、XRPもこれまでの反発局面を終え、再び下落圧力を受けている」と分析した。

「暗号資産の主軸」とされるビットコインが最高値を更新した直後、投資家心理は再び様子見に傾いているとの見方もある。オンチェーンデータプラットフォーム「サンティメント」は最近の調査報告書で、「ビットコインが11万1,980ドル(約1,599万9,669円)で史上最高値を更新した翌日、トランプ大統領の関税発言によって、市場のラリー心理が急激に冷え込んだ」とし、「予測不可能な貿易・関税リスクのため、多くのトレーダーが戦略を様子見中心に切り替えている」と指摘した。
暗号資産ストラテジストのマイケル・ヴァン・デ・ポップ氏は、自身のYouTubeチャンネルで、「現在、アルトコイン市場は再び下落するという認識が広がる『静かな反発期(ステルスフェーズ)』に入った」と診断した。さらに、「2020年初頭、2019年9月、2016年夏など過去のサイクルでは、イーサリアムがビットコインに対して底を打った直後に強い上昇が続いたが、今がそのような時期である可能性が高い」とし、「ビットコインが垂直的な急騰ではなく緩やかな上昇を続ける場合、アルトコインがビットコインの収益率を上回る市場環境が整う可能性がある」と述べた。
暗号資産アナリストのベンジャミン・コーウェン氏も「ビットコインが夏までに過去最高値を突破できず、8月から9月にかけて下落圧力を受ける場合、イーサリアムも再び底値を試す可能性がある」と予測した。また、「現在、イーサリアムに対するアルトコイン指標も、サイクル上の高値圏に近づいている」とし、「過去と同様に資金が分散されることで、アルトコインが下落する恐れがある」と付け加えた。さらに、「投資家は、上昇と下落の両方のシナリオに備える必要がある」とアドバイスした。
今年の夏の市場には、異例の変動性が見られる可能性があるとの分析もある。暗号資産データ分析企業「カイコ」は最近の調査報告書で、「伝統的に夏季は市場が静かになるが、今年は主要な政策イベントが重なり、異例の変動相場が展開される可能性がある」と予測した。米連邦準備制度理事会(FRB)の次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会議は、トランプ大統領が予告した来月9日の関税施行直前に予定されている。また、米議会では今年8月の休会前にステーブルコインに関する法案を処理する可能性があるという。