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2025年06月11日水曜日
ホームニュースIT・テック【科学の奇跡】「金を採掘せずとも、実験室で作れる?」CERN、鉛を金に変える実験に成功!

【科学の奇跡】「金を採掘せずとも、実験室で作れる?」CERN、鉛を金に変える実験に成功!

欧州原子核研究機構(CERN)の研究チームが、鉛を金に変える錬金術の実現に成功したと、科学専門メディア「フューチャリズム」が報じた。

欧州原子核研究機構の研究チームは、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で鉛を金に変換することに成功したという。この研究成果は、先週、国際学術誌『Physical Review Journals』に掲載された。

引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません

当初、このプロジェクトは科学者たちがビッグバン直後の状況を再現するため、光速に近い速度で原子粒子を衝突させることを目的としていた。大型ハドロン衝突型加速器で粒子の衝突実験を行う中で、金より陽子が3つ多い鉛原子核同士の衝突を進めた結果、偶然にもこの成果が得られたと説明している。

論文で研究チームは「鉛を金に変えることは中世の錬金術師の夢だった」とし、「大型ハドロン衝突型加速器でこの夢が実現した」と述べている。

衝突過程で生じたイオンは互いに直接衝突することもあれば、すれ違うこともある。この際、イオンの周りに生じる電磁場がエネルギーパルスを生成し、粒子内部が励起または分裂する現象である「電磁解離(electromagnetic dissociation)」が発生する。この過程で鉛の原子核が刺激され、陽子3個を放出することで鉛が金に変化する。

しかし、過度な期待は禁物だ。研究チームは2015年から2018年の間に実施された大型ハドロン衝突型加速器の衝突実験で、合計860億個の金原子核が生成されたと推定している。一見膨大な量に思えるが、実際は約29兆分の1グラムにすぎず、極めて微量である。

大型ハドロン衝突型加速器でこの過程を実行するために必要な電力供給量や所要時間などのコストを考慮すると、この方法で鉛から金を抽出するのは極めて非効率的だと同メディアは指摘している。

それにもかかわらず、研究チームはこれを将来の実験への道を開く興味深い科学的発見だと評価している。欧州原子核研究機構の研究員であるウリヤナ・ドミトリエヴァ氏は「大型ハドロン衝突型加速器で鉛を金に変換する過程を実験的かつ体系的に実現した初めてのケースだ」と述べた。

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